メルマガ家元教場 vol.3「花菖蒲のいけばな」 担当:工藤亜美先生

第三回目となる「メルマガ家元教場」。今回もたくさんのご応募をいただき誠にありがとうございます。

5月のテーマは『花菖蒲のいけばな』です。
端午の節句には欠かせない花菖蒲。今月も様々な工夫を凝らした作品をご応募いただきました。
応募いただいた作品のうち3作品を今回担当の工藤先生により選抜、ご指導いただきました。

「花菖蒲のいけばな」

花菖蒲1.jpg 「いつの日かキュッとな」kurimama様

お酒の好きな父であったらいつか我が子と飲み交わす事を夢見るでしょうね。その日が来るまで健康を願って毎年節句に菖蒲を活ける母。素敵な家族。
枡酒はまだオ・ア・ズ・ケ

気負わずに花を身近に置く人が増えたらいいなぁ と願う気持ちを込めてみました。

工藤先生のコメント
実はこの投稿は2作いただいていました。たぶん投稿のために、いけてすぐ撮ったと思われれる蕾の作品と、飾っていたら花が咲き、今の方が素敵!と、撮り直したであろう作品。
コメントとおりの家の雰囲気。花の開花に重ね子供の成長を見守る空気が感じられます。
いけ方というより、作者と花の関わりが素敵です。



花菖蒲02.jpg 「清爽」野村知央様

先生よりお稽古の終わりにいただいた色彩盛花様式本位の見本花の花菖蒲。
翌朝には、ぱっと花が開いていました。
かたい蕾から、徐々に咲きかけた姿も美しいです。
凛としたさわやかさを強調するように、梅花空木をさりげなく添えております。

工藤先生のコメント
「清爽」というタイトルどおり、さわやかな作品。
和のイメージの強い花菖蒲を、ブルーのガラスと銀のモンステラのセンターと合わせて。固定概念に縛られた者にはできない、ともするとミスマッチになってしまいそうなところを軽やかにすり抜けて成功しています。
オフセットしたトリミングもおしゃれです。



花菖蒲3.jpg 「風薫る五月」kyoen様

玄関の迎え花です。新緑がまぶしい爽やかな季節。花菖蒲にしなやかなオクロレウカの葉、そして芍薬と鳴子百合を添えました。
お客様に5月のやわらかな風を感じて頂けましたら幸いです。

工藤先生のコメント
障子からの逆光に花菖蒲の立ちと、刀葉の線が清々しく。花の質感も透けるようで綺麗です。昨今、手に入りづらい菖蒲の葉。オクロレウルカを代用していますが、むしろ花色のやわらかさにしなやかな線が合うように思います。
常識的なようで、工夫されている作品とおもいます。



総評

「端午の節句」に寄せた様々な花菖蒲の作品を拝見させていただきました。
花菖蒲の季節は過ぎようとしていますが、夏の燕子花、秋の燕子花、春のイチハツやしゃがなど、様々なアヤメ科の花材を使用します。ぜひそれぞれの花材との出会いを楽しんでください。

工藤亜美.jpg

「花菖蒲のいけばな」いかがでしたでしょうか。
小原流では色彩盛花様式本位はもちろんのこと、写景盛花様式本位、瓶花と様々な表現で使用される花材です。「葉が手に入りにくくなった」との声も届いておりますが、手に入れた際はぜひお稽古でお楽しみください。


来月号は「初夏のいけばな」をテーマに作品を募集いたします。
指導担当は小原流研究院副院長の金森厚至先生です。
 風薫る初夏らしい、爽やかないけばなの作品を心待ちにしております。

応募方法


次の情報をメールに記載の上、作品データを1枚(できるだけ高画質のもの)、小原流マーケティング課までお送りください。ご応募いただた中から3作品を掲載させていただきます。
・現在の小原流の所持資格
・会員番号
・氏名(ペンネームでも構いません)
・作品タイトル
・作品について100字程度の紹介文


送信先:小原流マーケティング課 [email protected]
※当選者の発表はメールマガジンの配信をもって代えさせていただきます。

2023年6月号のテーマ

「初夏のいけばな」

担当:金森厚至先生

募集締切:6月13日(火)