メルマガ家元教場 vol.7「重陽の節句のいけばな」 担当:鈴木査智子先生
9月のメルマガ家元教場のテーマは「重陽の節句のいけばな」です。
重陽の節句は菊の節句とも呼ばれています。菊は「仙境に咲く霊薬」として、邪気を払い長寿の効能があると信じられていました。これにあやかり菊を飾り、菊のはなびらを浮かべた菊酒を飲み、長寿を願ったと言われています。
今回は、重陽の節句への思いが込められた作品がたくさん寄せられました。
ご応募いただいた作品のうち3作品を担当の鈴木先生により選抜、ご指導いただきました。
「重陽の節句のいけばな」
「菊御膳」野﨑 真弓様
小菊と秋明菊を彩り弁当のように県産の竹篭に詰めてみました。原
鈴木先生のコメント
重陽の節句は平安時代から続いている伝統的な行事で つい和の雰囲気をイメージしてしまいますが、この作品は洋風な生活空間に取り入れ、重陽の節句を楽しむ様子が見えて良かったです。
置き方が工夫されていることと、器の素材が陶器やガラス器ではなく、竹籠のような軽い質感の器が洋風な生活空間にとても合っています。
また、花材は菊だけでなく吾亦紅を取り入れることで重くなり過ぎず、リズムが出て弾む様子が感じられました。
花材や器の選び、置き方、共に上手にできていました。
「月下の菊」平 ひろ子様
鈴木先生のコメント
重陽の節句は無病息災や長寿を願ってする行事です。
黒い背景で、置かれている銀の盤が丸くて月を連想させ、これから「菊の被綿」をする夜半の時間帯を思わせるシチュエーションです。
緑の漆の器を上手に使っており、まとまっている菊が内側の赤をより冴えて見せています。
極力無駄なものを省いて、菊と尾花の美しい語らいが感じられる作品です。
和風なものをモダンな切り口で展開しているところが斬新だと思いました。
「忘れないでね」 kurimama様
何これ?
今日は「重陽の節句」って言うの元気だった事に感謝する日なの、
きっとこの子は菊の花を見る度にこの騒動を思い出してくれる。忘
鈴木先生のコメント
家族が集まり、こども達と一緒に楽しむ雰囲気が伝わってくる作品です。
シチュエーションがまず楽しい!奇想天外な「おっ」と思わせるところが面白く、伝統的な行事をさらっと楽しんで取り入れる様子が作品として表れていました。
たこ焼き器を利用して節句の事を伝えた、その時のことを忘れないでね、というタイトルも非常に効果的です。
花もいろいろな種類を使っていますね。菊と薄を合わせて使いがちなところをペニセタムを使用したところも良く、たこ焼き器と花がマッチしていました。
総評
それぞれ生活空間が違いますが、楽しむことを強く打ち出されている作品が、行事としても花としても楽しさが伝わってきて良かったです。
他の作品もいいものがたくさんありましたが、ただ置いてあるのではなく、背景がすっきりした場所に置くなど、どういう見せ方をしたらよいかと考えるのは大事なところです。背景を工夫するとよりよい作品になります。
また、花を活かし、葉を活かすのも大事なことですが、花材の高低差や配材の工夫があるといけ手の個性が出て良いでしょう。
五節句のうち最後の節句となりましたが、こういう時にこそ花を楽しんでいただければと思います。

選ばれた「重陽の節句のいけばな」の作品たち、いかがでしたでしょうか。
重陽の節句は過ぎてしまいましたが、旧暦9月9日は新暦でいうと10月にあたる時期ですので、これからも菊のいけばなを楽しんでください!
来月号のメルマガ家元教場では「ハロウィンのいけばな」をテーマに作品を募集いたします。
指導担当は小原流研究院教授の西晃宏先生です。
作品が選ばれた方には「小原流特製ランチトートバッグ」をプレゼントいたします!
皆様の作品を心よりお待ちしております。
応募方法
次の情報をメールに記載の上、作品データを1枚(できるだけ高画質のもの)、小原流マーケティング課までお送りください。ご応募いただた中から3作品を掲載させていただきます。
・現在の小原流の所持資格
・会員番号
・氏名(ペンネームでも構いません)
・作品タイトル
・作品について100字程度の紹介文
送信先:小原流マーケティング課 [email protected]
※当選者の発表はメールマガジンの配信をもって代えさせていただきます。
プレゼントのお知らせ
特製ランチトートバッグプレゼント!
「メルマガ家元教場」に掲載された3名の方には、「小原流特製ランチトートバッグ」をプレゼントいたします。
この機会にぜひご応募ください。
