この人に聞く!vol.20 小原流能代支部 児玉豊志先生
児玉 豊志先生
1990年1級家元教授取得。
10代後半に小原流と裏千家を同時に習い始め、 現在まで40年以上小原流いけばなと茶道裏千家のご指導を続けておられます。
ご自宅のお教室の他に、高校で毎週茶道を、文化祭では小原流のいけばな展示を ご指導されており、80歳すぎても第一線で活躍されています。
40年以上先生として「和の文化」を発信し続けている児玉先生の凄さをお届けします。

いけばなをはじめたきっかけ
・児玉先生はいけばなと茶道を同時に始められたとお聞きしましたが、どのような経緯で同時に習いはじめたのでしょうか。
同級生のお友達が瀬戸物屋さんだったのですが、その2階に一関先生のお教室がありました。見学しますと、小原流のいけばなはとても綺麗で魅せられ、先生のお人柄もとてもよく、すぐに入会を決めました。 一関先生が小原流と裏千家を両方ご指導されていたので、私も最初から両方習い始めたんです。一関先生は優しくて本当に素敵な方で、この出会いがあったからこそ、ここまでいけばなとお茶を長く続けられたのだと思っています。
在りし日の恩師 一関光徳先生と
・指導者としてはどのようなスタートだったのでしょうか。
指導者としてのスタートは30代後半でした。最初はお友達に教えていました。お友達がお友達を連れてきてという感じで、だんだんと生徒さんが増えていきましたね。 最初からお花とお茶を教えていましたので、みなさんも両方学ばれていました。
学校でのご指導
・現在も指導されている学校とのご縁について教えてください。
現在いけばなの指導は文化祭の作品展示くらいなのですが、お茶は毎週指導しています。 この高校で昔勤務しており、勤務していた時にお花とお茶の指導をしていました。 学校を退職後も続けていたのですが、いけばなは花材費がかかることもあり縮小されてしまい、学校での指導は茶道中心となっています。
お教室について
・先生のお教室にはアメリカ人の生徒さんもいらっしゃるそうですね。
パウエル・サバンナさんのことですね。
教室の生徒さんに高校の英語の先生をされている小林牧子さんがいらっしゃるのですが、そのつながりで、中学のALT(外国語指導助手)で来日したパウエル・サバンナさんを紹介されました。 日本の文化にとても興味を持ってくださり、もう1年半くらい熱心に学ばれています。 新年1回目のお教室は着物を着ました。 みんな12月からとても楽しみにしており、当日は私も一緒になって楽しみました。 着物を着た体験は、彼女にとっていい思い出になったのではないでしょうか。 彼女が将来アメリカに戻った時に「お花をしていました。」と言っても、よく分からない方もいると思うんですね。だから資格を取らせてあげて、小原流のいけばなを頑張ってきた証明になるものを帰国する時に持たせてあげたい。彼女が長く小原流のいけばなを続けていけるようにサポートしていこうと思います。
左からパウエル・サバンナさん、児玉先生、小林牧子さん。
小原流の魅力
琳派調いけばなが特に好きです。 小原流のいけばなはとても美しいと思うのですが、特に琳派調いけばなに魅せられます。 季節を考え花材を選び、水盤上の構成を決めて、絵を描くように水盤にいけていくのは難しいですが楽しいことです。
児玉先生は、40年以上華道と茶道の指導を続けられ、秋田から「和の文化」を発信し続けておられます。現在もご自宅のお教室だけでなく、毎週学校への指導もされていらっしゃいます。 とても忙しい毎日をすごされていますが、お花を手にするとホッとされるそうです。 明るく楽しい先生とお話していると、あっという間に時間がたってしまいましたが、先生の 「お花をいける時間は心が安らぐ。」とおっしゃっていたのが印象的でした。