この人に聞く!vol.22 小原流千葉支部 和田翠穂先生
和田 翠穂先生
1994年5月一級家元教授取得
木更津茶華道の会に所属し、JR木更津駅に50年継続していけばな展示を行っています。
公民館・小学校・中学校にも毎週いけばなを展示する活動を行っており、いけばなが好き、いけばなを喜んでくれる方々の笑顔を見るのが楽しいと現在も精力的に活動されています。

小原流との出会い
中学生頃から池坊で学んでいました。姉が小原流を学んでおり、自宅の玄関に写景をいけるのを見て素敵だなぁと興味を持ち、18歳の時に姉が学んでいた先生に習い始めたのが小原流との出会いです。 28歳くらいから、お友達を集めていけばなのお教室を始めました。
JR木更津駅での展示
・50年継続しているJR木更津駅でのいけばな展示について教えてください。
所属している木更津茶華道の会は地域社会での様々な要望に応えて、社会貢献活動を行っています。そのひとつとして、一年間を通じてJR木更津駅コンコースにいけばなを展示しています。
木更津茶華道の会には、草月・龍生と他流派も含め華道は40名、茶道は80名が所属していますが、華道に所属する40名で一年間を通じて1週間ごとに交代で花をいけています。
小原流では、平野光喜先生、南口惠仙先生、浅井京敏先生が所属されています。 ・展示はどのようにされているのでしょうか。
私は1年に7~8回担当しております。
担当になりますと、日曜日にいけこみで土曜日にあげてと1週間展示します。
テーマは特になく季節の花々をいけているのですが、いけばなを展示するスペースは横4m、奥行き1.2mと結構あるので、だいたい4作品を2時間くらいでいけこみ展示しています。 展示スペースは2階にあり、天気が良ければ富士山も見える素敵な憩いの場所です。
駅にこの広さで展示出来るところはなかなかないと思いますので、いけられることには感謝しかありません。いつも助手といけているのですが、4作品のうち1作品を任せる時もあります。 ・いけていて駅を利用される方から声をかけられる事もありますか?
はい。みなさんとても楽しみにしてくださっており、声をかけていただくことも多いです。
いけていると、しばらく立ち止まって見てくださる方が何名もいますし、「いつも楽しみにしています。」「とても癒されます。」「木更津駅に来るのが楽しみです。」とお声がけいただきます。また駅長さんはいつも見に来てくださり「この花はなんという花ですか?」「いつもありがとうございます。」とおっしゃってくださいます。
コンコースは駅を利用されるみなさまが通る所ですし、そこを任される責任は重いですが、みなさんの喜んでくれる声を聞いたり笑顔を見るのは本当に嬉しいことです。
50年続けてきましたが、これからも続けていきたいと思っています。
いけばな展示
・4か所に毎週いけばなを展示される活動をしているとお聞きしました。
岩根西公民館には火曜日の朝、岩根小学校・金田小学校・金田中学校には月曜日の朝と4か所に、 1週間ごとにいけ替えています。
最初はこども教室をしている岩根西公民館にいけていたのですが、こども教室に通っている子の通う岩根小学校の教頭先生と知り合いだった関係で依頼を受けて学校にもいけることになりました。その後、金田中学校と金田小学校にも依頼されたため、現在は4か所にいけています。
みんなに見てもらえるように、学校ではこども達の下駄箱のある昇降口にいけているのですが、とても喜んでいただいており、やりがいを感じ楽しく続けています。
岩根小学校でのいけばな展示
・毎週だと大変だと思うのですが、どのようにいけているのでしょうか。
特に大変ではありません。
公民館と学校は私1人でいけているのですが、前日にはいけ方を考えておき、当日は家で枝や花を切っておきます。現場ではささっといけて、同じものばかりいけることのないように、写真を撮っておき終了します。
枝ものは、私の家の庭や畑にあるものを使っています。足りない花を花屋さんで買うくらいですが、なかなかいい感じに仕上がります。
金田小学校でのいけばな展示
こども教室
・こども教室で申請につながる方が多いと思うのですが、工夫されている事はありますか?
いけばなを本当に楽しんでくれていて、小原流を続けてくださる方が多いように感じます。
小学校1年生から入る方が多いのも有難いです。現在も初級の方が10人以上います。
初級は主枝・客枝がきちんとしていればOKとしています。また、この時期にいけばなに興味を持ってもらえるように努力しています。
1月の公民館での発表会には、器、剣山、花材は自分の好きなものを持参してもらいます。花材を選ぶのに花の名前も積極的に覚えてくれますし、花屋で真剣に選んでくるのでよい勉強にもなります。
こども教室で始めて准教授まで取ったお子さんもいらっしゃいます。 また、小学校1年生から始めこども教室卒業し、私のお教室に通っている子もいます。
こどもたちの『お花が好き。いけばなが好き。』という気持ちを大切にして、小原流のいけばなを伝えていくことができればと思っています。
和田先生は、公民館でのこどもいけばな教室・ご自身のお教室だけでなく、駅や公民館・学校へといけばなの展示をされていて毎日お忙しい日々を過ごされています。忙しくて大変だと思われますが、和田先生とお話していて、お花が好き、小原流のいけばなが好き、お花を通して周りの人に喜んでもらえるのが何よりも嬉しいというあふれる思いが伝わってきました。