この人に聞く! vol.05 小原流春日部支部 斉藤一詔先生
堀切先生が支部長として活動できるのは全て斉藤先生のお陰と言うほど厚い信頼を寄せていらっしゃいます。
また斉藤先生は非常に若いお弟子さんが多いことでも有名です。
今回は斉藤先生に、教授者となるまでと現在の活躍についてお伺いいたしました。
斉藤一詔先生プロフィール
1965年 小原流入門
埼玉県で抜群のリーダーシップを発揮していた関根玉富先生のもと、多くの仲間と共に支部活動に勤しむ。
2010年 小原流春日部支部長に就任
同年 小原流研究院研修師の資格を取得
現在は小原流春日部支部参与となり、支部長や支部役員の活動をサポートしている。
10代の教え子が多い理由
₋先生の社中名簿を拝見させていただいたところ、若い生徒さんが多くいらっしゃることに驚きました。どのようにお教室にさそっているのですか。
-環境に恵まれているだけでは、なかなかこの数の社中にはならないのではないでしょうか。 -そうして集まった生徒には、どのような指導をされていますか -学生さんに教えていると、遠くに引っ越してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか
ありがとうございます。
埼玉県越谷市が文化活動に力を入れていることが大きいです。
日本伝統クラブと言って、華道、茶道、書道、琴などを一週間のうちに1人の生徒が全部お稽古できるような取り組みをしています。そのクラブで師範二期くらいまでは自然と取得します。
クラブを卒業してお花を続けたい生徒が、教室に繋がっています。
お教室は自宅や公民館、学校や出稽古など幅広く設けていますので、そうしたところも入会しやすいポイントかもしれません。
また「みんなの花展」に出品した学生ともゆるく繋がっておりますので、「またいけばなをやりたくなった!」というタイミングで声をかけてくださります。
10代の子供に教えるのは非常に楽しいです。
そうした楽しい経験を、若い会員にもぜひ体感してもらいたいと思っています。
そのため最近、学校を弟子にお任せいたしました。専門教授者ではない会員にお任せして、教える楽しさを勉強いただいて、専門教授者に育ってもらおうと思っています。
近いうちに、近隣の県立大学に訪問しようと思っているのですよ。
そうした飛び込み営業はしたことがありませんが、教えることが楽しいので挑戦しようと思っています。
生徒を集める、続けてもらうために大切なこと
専門教授者として活躍するためには、動かないと何も始まらないということは分かっていました。
お教室を開いたとしても、PRしなければそれっきりですよね。
最初は生徒を集めるための努力をたくさんいたしました。
伝統文化子ども教室を開講する際にも5校は訪問したという記憶がございます。
伝手がなかったものですから、学校の前でビラ配りをして、声をかけたり。
今の学校ではセキュリティーの問題でそのようなことはできませんが、そのくらいは動いて、生徒を集めていました。
そうした種まきの活動から教室に来た方もたくさんいらっしゃいます。
口コミで来るようなるということも伺いますが、それはこうした活動のあとの話です。
現在では便利になったもので、支部主催のイベント集客にQRコードを付けたチラシを配っています。
するとすぐにお申込みが集まるそうですよ。
しかしこれもQRコード付きのチラシを配っているから集まっているのではなくて、体験会の中身が伝わるような申込みの準備を若い幹部が頑張ってやってくださっているからです。
チラシをもって、声を張って説明する必要はなくなりましたが、とにかく「生徒を集めるために動く」ということは今も昔も変わらないのではないでしょうか。
とにかく教えることが好きなので、こちらも楽しんで教えることが大切だと思っています。
小原流のカリキュラム表、単位表が非常に便利で、スタンプラリーのような形で皆さん楽しまれていますよ。
次はこれをやろう!といって、予約に繋げてしまいます。
ただ若い生徒が多いので、進級などは本人の意向ではなく、ご家族の意向が大いに反映されます。
お金もかかってしまうことですので、丁寧な説明をして納得していただいた上で進級していただいています。
学生などの若い生徒さんでも、研究会に興味があれば声をかけています。
研究会が楽しくなると、学校を卒業した後もお教室に戻ってきてくれますよ。
埼玉という土地柄、ほとんどの子が大学にも東京を選びますので、戻ってきてくださいます(笑)
しかしときどき、遠くに行く生徒さんももちろんいらっしゃいます。
そうした生徒と小原流のせっかくできた縁をそれきりにしてしまってはもったいないので、引っ越し先の最寄りの支部長と相談して、生徒の社中異動を相談しています。
異動した生徒はどうやらまだ元気に小原流を続けているらしく、本当に嬉しく思っています(笑)
専門教授者として、私も先生から育ててもらった
-先生が教授者になったきっかけをお教えいただけないでしょうか。
亡くなられてしまいましたが、埼玉県を一つにまとめていた関根玉富先生という大御所の先生とても可愛がっていただきました。
専門教授者になったことも、研修士になったことも、支部長になったことも、関根先生のお力によるものが大きいです。
小原流のお稽古や仲間といることはとても楽しかったのですが、自身の子育て等もありなかなか小原流の活動に本腰を入れることができませんでした。
そうしたゆるい感じで楽しんでいても良かったのですが、関根先生からある日、お教室の助手を任されました。
そのまま代稽古を任されることがあり、自信がつき、気付いたら専門教授者に育っていたというわけです(笑)。
関根先生に背中を押されて、研修課程の受講をしたこともターニングポイントでした。
指導する側として技術の研鑽ができて、現在も活動していく自信につながっています。
全国各地に友達が増えましたし、支部長になった際もお花のことがある程度わかっているので役に立ったのではないかと思います。
「次はあなたよ」と関根先生にずっと言われていた支部長職も渋々引き受けましたが、関根先生初め、周囲の仲間のお陰で無事勤めあげることができました。
こう振り返ると、私、関根先生に育ててもらっていたのだとあらためて実感いたします。
今私も後輩にバトンを渡しておりますが、関根先生も育てるという意味で、私に大切な教室や支部長職を渡していったのかなぁと思います。
今回お話を伺わせていただいた春日部支部斉藤先生とは個人的にも入社当時からお世話になっており、その優しさに何度も救われてまいりました。
そうした優しさが先生の魅力の一つなことはもちろんのこと、指導への思いや後進の育成などバイタリティーにあふれる一面に触れることができて、本当に嬉しく思いました。
斉藤先生、お忙しい中お時間を割いてくださり、誠にありがとうございました!
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