この人に聞く!vol.14 小原流静岡支部 川内貴美子先生

川内 貴美子先生

今回お話を伺ったのは小原流静岡支部名誉幹部の川内貴美子先生です。
川内先生は小原流いけばなの指導はもちろんのこと、フラワーアレンジメント、プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワー、着物のリメイク教室まで多方面で「先生」としての顔をお持ちです。
川内先生に小原流との出会いや専門教授者活動、フラワーアレンジメントの教室でのご活躍についてお伺いしました。

小原流静岡支部川内貴美子先生

1969年1月小原流入門。1995年一級家元教授資格を取得。
いけばなとの出会いは文化服装学院に入学してから。同校を卒業し洋裁の先生として活動しながらもいけばなの稽古を続け、専門教授者として活動を始めた。
小原流いけばな以外にも、プリザーブドフラワー全国協議会1級、スプレンディドナチュレアソシエーションウェディングフラワーディプロマコース認定講師資格を取得している。 

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小原流との出会いについて

-先生はいけばなだけではなくフラワーアレンジメント、プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワー、洋裁など様々な分野で「先生」として活躍されています。いけばなとの出会いはいつ頃だったのでしょうか。


18歳の時に文化服装学院静岡に入学して洋裁の勉強をはじめました。その時代は「花嫁修業」としてお茶やお花を嗜むのが当然でしたので、入学と同時にいけばなも習いはじめました。
21歳で学校を卒業してから、文化服装学院静岡で洋装の指導をしていたのですが、ほどなく結婚することになり退職いたしました。いけばなは生活の一部になっていたので、結婚後も続けていて今に至ります(笑)。

‐専門教授者としての活動はいつ頃から始められたのでしょうか。
いつからでしょうか。教授者手帳を見てみると1977年8月に登録しているようです(笑)。
知り合いから「ぜひ教えて」と声をかけていただいたのがきっかけでした。場所は自宅で、少しずつ開始いたしました。若い時でしたので無我夢中で楽しんでいるうちに口コミで生徒さんが集まってきました。大変ありがたいことです。そのうちに師匠のすすめで静岡支部に準幹部、幹部と関わっていくことになりました。



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いけばな稽古の様子



フラワーアレンジメントとの出会い

‐フラワーアレンジメントとの出会いはいつ頃だったのでしょうか。


いつと言われると少しわからないのですが(笑)、近所にアーティフィシャルフラワーで有名な「東京堂」があり、アレンジメントの担当の方から「いけばなをやっているのだからアレンジメントも習ってみない?」と声をかけていただき、プリザーブドフラワーを習い始めたのがきっかけです。そこからフラワーアレンジメントやアーティフィシャルフラワー(造花)も学ぶ機会があり、それぞれ指導も行っています。
いけばなとアーティフィシャルフラワーのどちらにも触れていると、それぞれの魅力に気付かされます。
今どちらに需要があるかと言われると、アーティフィシャルフラワーです。
昔では考えられないかもしれませんが、ブライダルフラワーもアーティフィシャルフラワーの注文が増えています。
美しいのはもちろんなのですが、長く楽しめることや水をあげる必要がないこと、扱いやすいというメリットがあります。冷蔵庫も不要ですよね。
夏場は仏様のお花にも喜ばれます。

いけばなの魅力は、花から元気をもらえることだと思います。アーティフィシャルフラワーを触っているから強く感じることだと思うのですが、生のお花が発する力はものすごく強いです。季節感も感じることができます。
間などの空間を作っていく技術、あえて水を見せることも、いけばなならではの魅力だと思います。特に写景盛花はアーティフィシャルフラワーでは絶対にできません。

たくさんある「先生」としての顔

‐先生の生徒はいけばなとフラワーアレンジメントのどちらを学ぶ方が多いですか?


両方習っています。具体的に言いますと、いけばなのお稽古に変化をつけるためにフラワーアレンジメントの授業を取り入れています。
例えばいけばな教室をやる中で、バレンタイン、クリスマスなどが近づいてきたらリースなどを作って楽しんでいます。 そうしたイベント日を設けることで長くお稽古を続けていただけていると思っています。
なので、メインはいけばなの先生なのですよ。

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ハロウィンレッスンの様子


小原流の勉強としては幹部研修会に平成8年から参加していました。全国の皆様と机を並べて、それぞれの作品が並んで、小原流研究院上層部に直接習う機会がもらえて、非常に良い機会でした。
写景盛花様式本位の水仙のご指導の時、難波佳代子先生に褒めていただいたのは今でも覚えています(笑)。
本年度から役員研修会として生まれ変わるとのことですので、若い支部役職者の方にはぜひ刺激を受けてきてほしいなと思います。

お花の他にも現在は着物のリメイク教室の指導も行っています。
「先生」と呼ばれる立場で一番うれしいことは、仕上がりを喜んでくれたときの生徒の顔です。
どの習い事も準備は大変です。制作過程も非常に大変だと思います。しかし出来上がったときの生徒の顔を見たときに本当に嬉しく思います。
これがあるからずっと続けていけるなぁといった感じです(笑)。


二足の草鞋どころか、三足、四足の草鞋を履いて大活躍の川内先生。この度のインタビューにも、指導に入る前に応じてくださりました。「作品が仕上がったときの生徒の笑顔が好き」と言う先生もきっと素敵な笑顔で生徒の作品を見て、楽しい時間を過ごされているのだろうなと思いました。
川内先生、インタビューに応じてくださりまして、誠にありがとうございました!

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