いけばな豆ちしき VOl.2 「花留め」
花をいける際の補助的な道具として用いられる「花留め」。
小原流では剣山と七宝が主に使用されています。
七宝は家紋に見られる「七宝紋」をヒントに、それをかたどって花留めとして使用されるようになりました。
花を生ける際はあまり多くは用いず、使用する花材でごく自然に隠すよう指導するのが小原流では一般的。
しかし流派によっては、花留めそのものに趣向を凝らして、作品の大切な要素としていることがあります。
ここではその中の一部をご紹介いたします!
轡留め(くつわどめ)
馬具である轡(くつわ)を花留めに転用したものです。
草木がよく留まるように、まず轡留め自体を組む必要があります。
流派によっては秘法として、その組み方に四十八種の習いがあるとも伝えられています。
馬の口元の金具が轡(くつわ)です
蟹留め
茶道具に用いられていた蟹の姿をした蓋置を花留めにしたもの。
蟹の爪や足の間に茎をはさみこむようにして使用いたします。
蟹留を使って二株いける場合、二つの蟹留めが使用されるのですが、「目と目をにらむように」置き合わせるなどのルールがあります。
亀留め
亀の姿をした花留めです。
背中の亀甲模様が穴になっていて、そこに花材を入れていきます。
亀は水に住む動物であることから、水物花材が主に取り合わせられます。
集合体恐怖症の方は苦手かもしれません....。
この他にも「龍留め」「兎留め」「鋏留め」など、様々な花留めが存在します。 動物にちなんだ花留め、なんだかほっこりしませんか?インテリアとしても可愛らしいかも(?)しれません。
こうした花留めは小原流の花展ではほとんど見ることができませんが、いけばな芸術協会展や、各地で行われている諸流展に行くと、目にすることがあります。
ぜひ諸流展にも足を運んでみてください。
そしてその際は、作品の足元にも注目してみてください!
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