全国支部紹介vol.25 小原流長野諏訪支部
小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流長野諏訪支部です。5代支部長五味桐苑先生と6代支部長須﨑まゆみ先生にお話を伺いました。
小原流長野諏訪支部
5代支部長五味桐苑先生
1990年5月 一級家元教授取得
2016年1月 長野諏訪支部支部長就任
長野諏訪支部の5代支部長として8年間支部長として活躍されました。
小原流長野諏訪支部
6代支部長 須﨑まゆみ先生
2009年5月 一級家元教授取得
幹部として12年間活動され、2024年1月から長野諏訪支部6代支部長に就任されました。

長野諏訪支部は2024年1月に支部長が五味桐苑先生から須﨑まゆみ先生に引き継がれました。
五味先生と須﨑先生の両名に、支部への思いや支部の取り組みについてお聞きしました。
-五味先生といけばなの出会い、そして支部長になるまでのお話を聞かせてください!
いけばなとの出会いは中学一年の頃。今井先生という恩師が婦人会の奥様方を集めて、いけばなの団体稽古をしていました。
もともとは母親が習っていたのですが、母に代わり私が習うことになったのがきっかけです。
そのお稽古が一区切りした際に「続きを習いたい場合は個人教場へ」とお誘いいただいて、今井先生の社中に入ることになりました。
今井先生は幹部・名誉幹部と支部活動を活発に行っていましたので、自然と私も支部役職者となって、上田豊翠先生が支部長を務めた際に副支部長兼会計、ずっと上田先生と三役を務めていたのですが、支部長に任命されました。
-先生の思う長野諏訪支部の良いところを教えていただいてもよろしいでしょうか。
皆さま非常に勉強熱心です。それもずっと昔から。
今から30年、もっと前からでしょうか。地区別教授者研究会のテキストなんてない頃から地区別出席されていました。
その頃に筆記の勉強をしていた先生はもうどこから出題されるか見当もつかないので「百科事典で勉強した」とおっしゃっていました。それでもその頃から優秀賞を獲得する先生がいたのですよ。
その頃は400名近い会員もいて、研究会も三部制で行っていました。
会員数はその頃より落ち着いてしまいましたが、専門教授者向けには必ず勉強会を開催しますし、5年刻みの周年行事も必ず行っています。

-周年行事と言えば五味先生の代で40周年記念講習会を開催されましたね。
40周年には家元による記念講習会を開催しました。手前みそですが、素晴らしかったです。
長野諏訪支部の良いところは、自然が豊かであること。
その環境にいるからか、支部役員もみんな写景盛花が好きです。家元に写景盛花を中心に構成してほしいとリクエストしたら、家元が素晴らしい写景をいけてくださいました。
本部のスタッフと私たちとで撮影に行った長野県の自然を映像にして、作品と交えるという試みもいたしました。本当に素晴らしい映像で、式典のオープニングとクロージングにも流しました。
8年間支部長を務めさせていただいたのですが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で後半の4年間は研究会を開催するのが精一杯でした。2019年3月に開催予定だった花展も開催2週間前にキャンセル。
今思うと、物凄く勇気のいる決断でした。ちょっと体調を崩すほどだったのですよ(笑)。
だから記念講習会にはとても思い入れがありました。お世話になった皆さまのためにもこのままでは絶対に終われない!と思っていました。

五味先生から須﨑先生へのバトンタッチ
-記念講習会の開催が支部長交代を意識したキッカケでもあったのでしょうか?
周年講習会で、私の支部長としての活動も一区切りできたと思っています。
年齢的にも次の世代に渡すという時期でした。本当にやり切ったなという思いです。
新支部長として声をかけた須崎先生は、私が支部長時代に副支部長を引き受けてくださっていました。
長く保育園の園長先生をしていらしたので、優しくて温厚で、キャリアウーマン。人を上手にまとめてくださいます。
新支部長須﨑先生の思い
-先生は副支部長も務められていたと思うのですが、支部長になって何か変化はありますか?
こんなに責任のある仕事なのかと日々痛感しております。お断りをしたかったのですが(笑)、参与の先生方、支部の皆さまに助けてもらいながら、腹を据えていきたいと思っています。
-支部長になって成し遂げたいことはありますか?
支部長会議で支部によっては会員数が拡大している支部や、様々な取り組みをしている支部があることを知りました。長野諏訪支部もこのまま続けていくのではなく、具体的に会員数を増やしていきたいと思っています。
また五味先生のお話にもありました通り、長野諏訪支部の良いところは会員が非常に勉強熱心で技術レベルが高いところにあると思っています。若い人にもいけばなの技術を伝えていきたいです。
たとえば花をいける勉強会に限らず、「座学」の取り組みも五味先生が支部長の頃から進めていました。
サンリツ服部美術館の理事長が小原流を習っていたことがご縁で、学芸員の方によるお勉強会を開催しています。
文人画や歴史、やきものなど、担当いただく学芸員の方が得意な分野でお願いをしています。
琳派調いけばなや文人調いけばなをいけるとしても、その背景知識を学んでいなければあまり面白くならないと思います。
また座学であれば、カリキュラムに即していなくても、誰でも参加できますよね。
全資格を対象として、これからも続けていきたいと思っています。

-長野諏訪支部は花展の情報をよく本部に寄せてくださっていますよね!
長野諏訪支部は2年ごとに行う「みんなの花展」にも非常に力を入れています。
会場構成には必ず大作も入れるようにしています。松本地区で行われたみんなの花展では、「支部展ですね!」、と驚かれたのですよ(笑)。大作をいけるにしても会員が器も持っているので困りません。とにかく名誉幹部の先生が支部に協力的で、大変助かっています。今年10月にまた花展を予定しているので、私の最初の大きな仕事として、地区の先生と共に支部を盛り上げていきたいと思っています。
