全国支部紹介vol.8 小原流鹿児島支部

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小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流鹿児島支部です。十二代支部長 平山 豊璃先生にお話を伺いました。

小原流鹿児島支部 支部長 平山 豊璃

1985年 小原流入門。
その後、ご家族のお仕事の都合で鹿児島県内に転居されたのち、1987年に鹿児島市内に戻られ准教授を取得。2004年に小原流鹿児島支部幹部に就任。2016年副支部長、そして今年に第十二代鹿児島支部 支部長に就任。いけばな以外では、着物の着付けの資格を持たれ、また、茶道、そしてフラダンスも楽しまれている。

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鹿児島支部の歴史


鹿児島支部の起こりは、昭和4年の盛花講習会開催の折、鹿児島県国風会が結成されたことに始まります。
その後、昭和二十年に東京から福山豊明先生が鹿児島に戻られ、この地に小原流の種を巻かれました。
そこから6年後の昭和26年5月に鹿児島支部が創立。
歴代の支部長のご尽力により、デパートでの花展開催、支部展開催、諸流展への出品など、鹿児島県人特有の不屈の精神と粘り強さと共に活動の場を拡げ現在に至っています。
2019年には、5世家元の出品をはじめ、鹿児島支部会員が一丸となった支部創立70周年記念花展「風を蒔く」を開催。
今年からは新支部長のもと、これまで通り、仲が良く楽しい支部活動に励んでいます。


昔の鹿児島支部

-平山支部長が初めて研究会に参加されたときはどんな雰囲気だったのでしょう。

今は和気藹々としていますが、昔はやはりビシっとした雰囲気でしたね。
二級脇くらいの資格では、上の先生方に話しかけられる雰囲気ではなかったですね(笑)。
今はそんな雰囲気ではなく、分け隔てなく楽しく活動しています。

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-いつ頃からそんな雰囲気に変わっていったのですか?

九代支部長 堀之内先生の頃からですかね。
堀之内先生はとても緩やかな先生で、他の幹部の先生方もそのような雰囲気でした。
と言いましても鹿児島支部はもともと楽しい支部で、コロナ前ですが野外展の時などは大宴会でした(笑)。
仲が良いので、事務日のあとに食事をしたり、12月は忘年会、1月は新年会と、参与や名誉幹部の先生方も来られて楽しんだことを思い出します。
今はコロナでなかなか集まれないですが。



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-平山先生が幹部になられたのは2004年ですが、準幹部を経験されず幹部になられたのですね?

親先生の山元豊康先生が支部長になられた2004年に幹部なりました。
鹿児島支部では、基本的に準幹部を経て幹部になることが多く、親先生からの推薦、役員との相談で決まります。
私の場合は、親先生からの推薦で突然幹部なりました。

幹部時代には鹿児島支部創立55周年記念花展があり、花展自体に初めて参加しましてとても勉強になりました。
また、副支部長になる2016年までずっと接待係を務めまして、接待係としても、家元や理事長、ご指導の先生方の身の回りのお世話をさせていただいたり、お弁当の手配などをずっとしていましたね。

副支部長~支部長就任について

-2004年の幹部就任から、2016年に副支部長に就任されました。

同じ年に支部長になられた福島支部長や幹部の先生方からお声がけをいただき拝命いたしました。

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-副支部長就任時の思い出はありますか?不安は無かったですか?

いえ、あまり深く考えなかったのです(笑)。
副支部長になってから70周年記念花展がありまして、支部長のサポートをしながらその準備でバタバタと動いていました。
この花展では、準備からずっと携われましたので、とても勉強になったことを覚えています。
その際、鈴木 査智子先生がご指導だったのですが、査智子先生から凄く良くしていただきました。
辛いとかしんどいといった気持ちより、ただ楽しく、面白く過ごさせていただきました。

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-そして2022年に支部長に就任されました。

当時の福島支部長からお話しをいただいたときは、他の先生のほうがキャリアも長いし適任だとお話ししていたのですが、なんだか分かりませんけど私が就任することになりました(笑)。
「私に出来るのだろうか・・・」とやっぱり不安でしたね。
親先生の山元豊康先生と鈴木 査智子先生にもご相談にいきました。
とにかく一番の不安がパソコンとかIT関係がとても不慣れな事で・・・。

-え!? 支部長になられた時の一番の不安は「IT関係出来るかな?」だったのですか!?

そうです。


-普通は「みんなをまとめなきゃいけない」、「引っ張っていかなきゃいけない」といった不安が大きいと思うのですが(笑)。

あー、そうなんですか(笑)。
みんなに迷惑をかけるかもと思って、IT関係が一番不安でしたね。

支部の運営に関しては、前支部長の福島先生、副支部長をはじめ、周りの先生方が協力するからと言ってくださったのでそれなら大丈夫かなと(笑)。

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支部研究会運営について

-鹿児島支部の研究会はどのように運営されているのでしょうか。

研修部の方が花材表を作り、開催日の10日前までに各親先生がお花屋さんに発注します。
当日は、幹部・準幹部が設営・撤収を行ないます。
コロナ前は対面で花材費の受け渡しを行なっていましたが、今は事前に電話やLINEで料金をお伝えし、当日は封筒にお金を入れてお渡しいただいています。
とにかく今はコロナ対策に気を使っていて、一級と一脇の先生方は午前中、その他の資格はお昼からいけ込む2部構成を取っています。
入り口で体温を測って入場していただいたり、椅子や机の消毒も気を付けて行なっています。

今年は初等科申請が3件くらいありました。
参加してくださった方のお名前を呼んで、拍手して、みんなで歓迎しています(笑)。
今も継続参加してくださっているのでとても嬉しいですね。

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鹿児島支部の独自の活動について

-鹿児島支部は、支部研究会の後に独自の活動をされていますよね?

そうなんです。
それは会員のスキルアップを目指した勉強会です。
会員の方から、「瓶花で留められない・・・」、「七宝の置き位置が不安・・・」、「様式の基本をもう一度勉強したい」というお声を多数頂戴していました。
そこで鹿児島支部では、ありがたい事に小原流研究院役職者が3名いらっしゃる環境ですので、お一人づつにお願いしまして、これまでに2回ほど開催いたしました。
どなたでも参加できて、基本的な内容を教えていただく講座ですが、今はコロナでなかなか開催出来ない状態です。

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-社中関係なく参加出来るのですね。

親先生からご自身の社中にお声がけいただいてご参加いただけました。
専門教授者の先生も、ご自身の指導の見直しに参加された方も多かったですよ。



-スキルアップ講座はどのような経緯で誕生したのですか?

幹部が集まった事務作業日に、基本的な事をもう一度教えてもらいたいねーという話しが出ました。
そこで当時の福島支部長の了解も得て、鈴木 査智子先生にお願いに伺いました。


誕生の経緯はそうなのですが、鹿児島支部は他にも支部独自の勉強会があります。
それは役員対象の「支部役員勉強会」です。
この勉強会では、普段はあまり使わない大きな器で花材でお稽古が出来るのですが、そこで改めて小原流のお花って凄いと感じました。

それぞれの技術を客観的に見ると、個人個人の差というものはどうしてもありますので、スキルアップ講座でその差を少しでも埋めて、鹿児島支部会員の技術や知識が底上げ出来ればと思ったことも、スキルアップ講座は生まれた理由の一つです。

鹿児島支部では、そんな学びの場があるのですが、もっと拡げていければと思っています。
どこの支部でも有り得る話しだと思いますが、例えば親先生がお亡くなりになったベテランの先生方も、もう一度基礎的なことを学びたいと思われているかもしれません。
支部が、そのような先生方の受け皿を用意する時期になっているのではないでしょうか。

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先生がお考えの「支部長として大切な事」とは?

人の和が一番大事だと思ってます。
私自身、支部長一年目でいろいろと不慣れなのですが、周りの皆さんとの人の和に助けていただいています。

-周りの方に助けていただいているというのは、困っていることや悩んでいることを役員の先生方に投げかけてらっしゃるのですか?

そうなんです。
正直に「こんな事があるんだけどどうしよう?」と話すと、周りの皆さんが助けてくださいます(笑)。
思った事、感じた事、困っている事を何でも言える雰囲気がとてもありがたく、そして鹿児島支部の魅力であるとも感じています。
支部長として大切なことは、やはり人と人との和を繋いで、助け合う雰囲気を常に創りだしていくことかもしれません。

最後に、今後の鹿児島支部のご予定は?

10月5~11日まで、諸流で持ち割りで担当している百貨店の山形屋玄関の迎え花を小原流が担当します。
その山形屋で10月7~11日まで開催される「秋の各流いけばな展」に出品します。
12月26~29日に、山形屋の玄関花を制作いたします。

この作品は、山形屋105周年を記念して制作した祝い花です。

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独自の学びの場所を創出している鹿児島支部 平山支部長にお話しをお伺いしました。支部独自のアイデアで、社中を越えて技術や知識の底上げを図ろうとされる姿勢に頭が下がる思いをいたしました。このような鹿児島支部の取り組みは、他の支部の皆様にも良いヒントになるかもしれません。新しい支部活動のご相談がございましたら、どうぞお気軽に支部担当までご連絡いただけましたら幸いです。そしてお忙しいところお時間を頂戴しました平山支部長、副支部長、本当にありがとうございました。これからも何卒宜しくお願いいたします。



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