全国支部紹介vol.4 小原流岐阜支部

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小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページにて毎月、全国支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流岐阜支部です。五代支部長 的矢豊昭先生にお話を伺ってまいりました。

小原流岐阜支部 支部長 的矢豊昭

1974年 小原流入門。
1999年に小原流岐阜支部幹部に就任。2001~02の青年部長時には、岐阜県・長良川国際会議場で開催された「近畿・中部地区青年部作品展」を担当。支部長就任前の2011年には、研修課程Ⅲ期を修了し研修士を取得。その後4年間、研修部長と副支部長を兼任し、2016年に支部長就任。 最近は、自宅の隣をガーデニングなどの遊び場とし、人が集まる場所作りを楽しんでいる。

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岐阜支部の歴史


岐阜支部は昭和44年の創立ですが、この地域は古くから池坊、遠州流、華道即天門といった他流の勢いが強い土地だったそうです。
そんな岐阜で小原流を広められたのが、岐阜支部初代支部長の木村玉鶯先生でした。木村先生は当時名古屋支部に所属していらっしゃいましたが、昭和42年に岐阜で初めてとなる小原流展を開催されました。
この花展がきっかけとなって、岐阜にお住まいだった多くの小原流の方々がまとまり、岐阜支部が誕生したと伺っています。
そこから時が経ち53年。現在も気さくで優しい仲間たちとともに、小原流いけばなを楽しんでいます。



岐阜の魅力!「川原町」のレトロな町並みを散策

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岐阜県は、美しい自然と共に、世界遺産「白川郷合掌造り集落」、飛騨高山の町並み、日本三大名湯の下呂温泉、長良川花火大会など数多くの観光スポットがあります。
最近では、アニメ「君の名は。」や「聲の形」の舞台としても描かれ、若い方の間でも話題になりましたが、そんな岐阜県のおすすめスポットを私なりに考えてみますと、岐阜市内にある「川原町」の散策が浮かびました。

江戸時代には長良川の港町として栄えてきた町で、今はレトロな町並みを楽しめる場所として人気のあるスポットです。

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岐阜と言えば、「長良川の鵜飼い」を思い出される方も多いと思います。
「川原町」は、鵜飼観覧船乗り場から西へ延びているエリアで、歴史ある建物だけではなく、飲食店や伝統工芸品店、お土産屋さんなどもございます。
長良川からも近く、古い町並みを見ながら色々な楽しみ方が出来る場所ですので、岐阜に来られた際は足を運ばれてはいかがでしょうか。

あと、グルメで言いますと、個人的に「飛騨牛グリルばくろ(古民家を改装したステーキハウス・飛騨牛炭火焼きや土鍋のご飯)」さん、「鮨とも成(自宅近くの美味しいお寿司屋さん)」がおすすめです。



支部長就任直後に事務所のお引っ越しという難題が!


私は2016年に支部長に就任いたしましたが、次期支部長のお話しをいただいたのは前年1月頃のことでした。
「お受けいたします」と即答することは出来ず、そこから半年、悩みに悩んだ末に支部長の任を拝命しました。
しかし、「お引き受けするからには責任を持って事に当たろう!」と考えていた矢先、突然、事務所を借りているビル自体を取り壊すとの連絡があり、就任直後に事務所の引っ越しという難題が持ち上がりました。
支部事務所のお引越しを経験された皆様は頷いていただけるかもしれませんが、事務用品はもとより、器や花留、支部備品の倉庫出しなど、それはなかなか大変な作業でした。
支部長就任という感慨に浸る暇もなく、そこから支部の皆さんと一緒に探した場所が、現在も研究会会場として使用しているロイヤルホールです。

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このロイヤルホールは、美川憲一さんの「柳ヶ瀬ブルース」でもおなじみ、柳ケ瀬商店街にございます。
岐阜の中心部にある商店街で、蚤の市やフリーマーケットのようなイベントが盛んに行われている賑やかな商店街です。
また、ロイヤルホールの建物は4階建てで、4階には昭和のレトロな映画が上映されている映画館もあります。ご指導に来られた先生はいつも驚かれますが・・・(笑)。
5月8日もこのロイヤルホールで研究会を行ないました。

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岐阜支部の雰囲気~支部内での情報共有を大切に


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岐阜支部はとても風通しが良い支部で、全体的に穏やかで協力的な雰囲気だと感じています。
この空気感は、前支部長の林先生が培われたものが大きいのではないでしょうか。

私一人では何も出来ませんが、副支部長をはじめ常にみんなと相談できて、今出来る最善のことが話し合える支部です。
とてもまとまりがあって明るい支部だと自負しています。
新しい幹部・準幹部の皆さんも、とても前向きにご意見を仰ってくださるので、皆さんを信頼して任せる部分はお任せしています。

また、岐阜支部では幹部と準幹部を分けることをせず、常に支部の情報をみんなで共有しています。これによって、皆さんに「自分の支部なんだ」という視点で考えてもらったり、「支部の活動をしていて楽しいな」と思ってもらえたり、誰に強制される訳でもなく自然発生的に「支部愛」が生まれてくればと思っています。

そんな情報共有の一環として、今年から研究会と役員会を同じ日に実施するようにいたしました。これまでは毎月第一月曜日に役員会を開催しておりましたが、これではお仕事をされている先生が参加出来ず情報共有に不備が生じます。
そこで研究会と役員会を同じ日にいたしました。もちろん研究会だけでもバタバタと忙しく大変なのですが、これまで手書きだった賞状を印刷に切り替えるなど、皆さんに手際良く作業を行なっていただき、役員会実施の時間を作っていただけるので安心しています。



岐阜支部の専門教授者輩出サイクルとは!?

去年は、専門教授者が4名誕生し、今年も既に4名の方が丸専になってくださっています。
こちらに関しましては、何は無くとも輩出された先生方の指導力の賜物だと思います。

それと共に支部での取組みを振り返ってみますと、地区別教授者研究会に出席されたり、支部活動への前向きな意見をお持ちの方など、積極的に支部に関わってくださる方をお見かけすると、支部についての色々なお話しをするようにしています。

また、その方の親先生にも働きかけ、支部を意識してもらえるお声がけをお願いしています。
そうすることで皆さんの中に少しづつ支部運営視点での考え方や感覚が芽生え、それを一緒に育てていくと、スムーズに準幹部や幹部になっていただける事が多いような気がします。

もともと専門教授者しか幹部・準幹部になれませんでしたが、このために専門教授者でなくても役職に就けるようにいたしました。
早い段階で幹部・準幹部の役職に就き、支部視点でさまざまな活動をしてただくと、今度は専門教授者としても活動をスタートしてくださるようになりました。
とても有機的なサイクルが生まれたと考えています。

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若年層を支部研究会にいかに繋げるのか

2021年度の初等科申請件数が、2020年度と比べて255%アップとなりました。
こちらについては「伝統文化こども教室」からの申請が多く、積極的に実施してくださっている先生方にたいへん感謝しております。

子どもを含めた新しい皆さんが研究会に来てくれる事はとても嬉しいことで、上の写真の子どもたちは今回(2022年5月8日)初めて研究会に参加してくれました。
若年層の皆さんに研究会にご参加いただくという難しい課題について、私は無理の無い範囲で子どもたちに声がけしています。「たくさん良いお花が見れるよー」とか「良い点数を付けてもらえるんだよー」とお話しすると、「95点、いや100点取りたい!」と素直に言ってくれる子がいます。
自分が一生懸命に取り組んだ事が認められた、評価されたという事に嬉しさ感じるのではないでしょうか。
決して点数至上主義が良いと言っている訳ではなく、私が見ているなかでは、点数を付けられることにポジティブな感覚を持った子が多いと感じています。



岐阜支部の作品挿花や花展出品

OKBふれあい会館で挿花しています。
OKBふれあい会館は、県民のふれあいと交流の促進、県民文化の発展に寄与することを目的として1993年に竣工された岐阜県の施設です。こちらで、岐阜県華道家連盟の会員が持ち回りで担当し、各人一週間ほど展示いたします。
小原流からは、林豊月参与(副会長)、的矢豊昭(理事)、岩田豊美(常任理事)、冨田豊葉(理事)、土田華王里(理事)、石川豊昌(理事)、矢井豊功(理事)が担当しています。

これと同じく、岐阜市役所にも挿花しており、市役所のお花はコメントと写真と共に岐阜新聞に掲載されます。

OKBふれあい会館、岐阜市役所での挿花はこちら

okb1.jpgいけ手:的矢豊昭

okb2.jpgいけ手:的矢豊昭

林.jpgいけ手:林豊月

岩田.jpgいけ手:岩田豊美

冨田.jpgいけ手:冨田豊葉


また、5月11日(水)~16日(月)まで松坂屋名古屋で開催された中日新聞主催『第47回中日いけばな芸術展』に岐阜支部が出品しました。
コロナ禍のため、作品数を減らし、いけ込みと撤花を時間分けすることにした結果、搬入・搬出がスムーズに行われました。会場内の通路を広く取ったので、混雑が緩和され好評でした。
久しぶりの開催に、来場者、出品者ともに花展の楽しさを味わいました。

『第47回中日いけばな芸術展』出品作はこちら

中日1
matoya.jpgいけ手:的矢豊昭


中日2 土田華王里.jpgいけ手:土田華王里


中日3 石川豊昌.jpgいけ手:石川豊昌



中日4 飯田竹峰.jpgいけ手:飯田竹峰



中日5 矢井豊功.jpg

いけ手:矢井豊功




的矢先生がお考えの「支部長として大切な事」とは?

特に私が何か申し上げられる事はありませんが、私が心がけていることは、誰かに偏る事なく常に平等であることです。
当たり前のことですが、会員の皆様はお一人おひとり違いますので、支部長としてそんな方々を受け止められるかどうかが重要だと思います。

2016年の支部長就任時と比べると、落ち着いて物事に対処できるようになったかな?と感じますが、独善的になると問題が生じやすいと思います。
「ちょっと困ってるんだけど、どう思う?」と、皆さんに包み隠さず課題を投げかけることで、皆さんが主体的に支部の事を考えてくださいます。
支部長は最終決定をする立場ですが、オープンな姿勢で皆さんと話し合うことが、人を育て、未来の岐阜支部へと繋がっていると感じています

あとは、名誉幹部の先生方とのコミュニケーションを活発にしていきたいと話しています。
名誉幹部の先生方のご尽力があってこその岐阜支部ですので、新しい方々にも大切な事としてお伝えし、変革の時期にある小原流の情報を名誉幹部の先生方とも共有できればと考えています。

今後も、支部長として背筋を伸ばし、支部運営に貢献したいと思っています。


 

最後に、今後の岐阜支部のご予定は?

これからの予定としては、岐阜駅前シティタワー43で7月に行われる『岐阜県華道連盟 七夕花展』、9月に岐阜高島屋で開催される『岐阜県華道連盟 いけ花展』、そして、年末にX'mas 正月花講習会を行う予定です。
それとともに、コロナで中止になることが無く支部研究会を開催し、楽しいなかでも緊張感のある雰囲気の中で、これからも小原流いけばなを楽しみたいと思います。




今回のインタビューは、支部研究会と第47回中日いけばな芸術展と行事が続くお忙しい中でお話しをお伺いしました。的矢先生にはとても丁寧なご対応を賜り、また、質問にもとても真摯にご回答くださいました。的矢先生のオープンな雰囲気が支部内で心地良いコミュニケーションを生み、それこそが若手の皆さんが育つ土壌なのだと感じました。長時間の電話インタビューとなりましたが、温かくご話しくださりありがとうございました!今後とも何卒宜しくお願いいたします。

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