全国支部紹介vol.9 小原流旭川支部 後編
学生いけばな競技会のオンライン化について
-オンライン開催になった学生いけばな競技会の特典(競技会参加者が研究会に参加した際の会費の補助)も先生はフル活用してくださっていますよね。
はい!研究会への参加で難しいのは、一回目の参加のキッカケを作りです。そのためこうした施策は大変ありがたいと思っています。若い人が研究会会場にいるというだけでも華やぎますから。
研究会の話からは少しずれますが、学生いけばな競技会がオンライン開催になって良かった点がいくつかございます。
まずは学生を送り出す親御さんの交通費がかからなくなりました。同時に引率の先生の負担が減りました。子供を預かり会場まで送り届けるのは負担が大きかったです。特に安全性の面で。
そして嬉しかったことは、学校に活動が認知されたことです。
いけばなを習っていない人が「いけばな競技会」と聞いて、競技会の内容が想像できる人はほとんどいないのではないでしょうか。
残念ながら旭川支部から出た学校は入賞できなかったのですが、今回のオンライン化によって作品が写真となりました。
写真になったことで活動が学校に認知されて、作品写真を飾っていただけています。
こうした繋がりがいけばなと学校を結ぶ大切なことだと思っています。
学生いけばな競技会もせっかくのイベントなので、やって終わりにはしたくありません。
本部とタイアップしたイベントも、学校にアピールすることで部活動としていけばなを存続させる、また生徒には支部の研究会にも参加してもらえるようにしたいと思っています。
挑戦だった旭川支部創立70周年記念花展
-先生が支部長に就任されてからは、70周年記念花展を開催されていますよね。そちらについてのお話を伺わせてください。
旭川支部の周年行事はこれまで、講習会がメインでした。と言いますのも、周年花展よりも講習会の方が会員の負担が少ないと考えてきたからです。
現在ではそのようなことはないと聞いていますが、その昔に開催した周年花展では、少なくはない出品料を払ったにもかかわらず会員は鋏を持って立っているだけ、器にも花にも触らせてくださらないという過去がありましたので...。
しかし私は、ただ自由にやるみんなの花展ももちろん大切ですが、自分の習っている小原流の源流に触れることも必要ではないかと考えました。小原流の美しいとするものに、研究院の指導のもとで会員自身が触れる機会です。
また地域の人々にも、小原流のPRに繋がると考えました。
反対の声は予想しながらも、支部メンバーとして小原流を誇れるイベントも必要ではないかと、思い切って発案をしました。
ただ無理強いはしていません。「会員の目線で考える」というスタンスは変えたくはなかったので、支部内でアンケートも実施しています。
その結果過半数以上が周年花展を希望したので開催の運びとなりました。
周年花展は支部会員にも、地域の皆様にも、大好評をいただけました。
花展を指導いただいた川上裕之先生、平出仁穗先生、白戸加奈子先生には、本当にお世話になりました。
「出品者に花材に触らせて、できるだけ生けさせてください」「自分の作品と思えるような手直しにしてください」というリクエストに優しく答えてくださいました。
先生方は作品の意図をそれぞれの会員に説明した上で、普段触らない材料に迷わないよう、事前に細やかな指導をしてくださいました。
手直しも最小限に留めてくださったのではないかと思います。
旭川支部役職者について
-周年花展、拝見させていただきたかったです!最後に、支部役職者の方々についてお伺いさせてください。
旭川支部は多くの役員に支えられて支部活動ができています。ぜひ、それぞれの先生について紹介させてください!
副支部長の飛澤邦子先生は「組織」を担当しています。役員への連絡事項や、定例研究会でのお弁当の手配や先生の接待の茶菓などを準備してくれています。
西山和穂先生は役員の中では一番の若手です。現在3級ですが、お弟子さん抱えて教授者活動にも一生懸命、やってくれています。会計の仕事はキチンとこなしてくれています。高校1年と中学1年生のお母さんなので、大忙しの日々ですが、支部に大変協力的です。
佐藤豊秀先生は年金係として長年に渡り、活躍してもらいました。今年8月で年金は廃止となりましたが、研究会の申し込み先・また他流派との「華道協会」(現在6流派が所属)する団体の事務局として活躍してくれています。
飯田ゆかり先生はHPの入力・支部定例研究会や花展等で写真を撮影してくれています。また、頒布の役割もしてくれていますが、現在は本部から直接、先生達が購入する事となりましたので、少しゆとりができたようです。また、支部花展の開催時には会場のレイアウトは飯田先生でなければできないほど会場構成の細かい点に良く気付いてくれます。
一週間に3日は病院にほぼ一日中、ベッドに縛られる「人工透析」を受けながら、支部への協力をしてくれています。
研修の鈴木豊良先生は小樽在住で、旭川からJRで3時間ほどの処にお住まいです。一般的に考えると小樽支部に所属が当然のことと思われがちですがご主人の転勤に伴い、北海道の各地に住まわれました。道北在住する事が長かった為、その後、各地を転勤しても旭川支部に所属し必ず旭川支部で研究会に参加してくださいました。
小樽にお住まいの現在も旭川支部への研究会は皆勤です。以前お住まいの稚内での研究会への参加もしております。
研修として支部研究会開催時には欠かせない先生です。
藤野豊千先生は稚内部会を取りまとめ、研究会の準備をしてくれております。会計の佐藤豊笑先生と一緒に稚内部会を運営してくれています。旭川支部研究会の花材取り合わせの草案もしてくれています。
稚内は最北の支部です。花材もなかなか入手が困難でまた価格も旭川より高いのが悩みの種です。研究会開催時には頭を悩ませているのが現状です。
秋田先生は現在準幹部ですが、「許状申請」と「年度会費」を徴収する係をしてくれています。仕事上、「コロナ感染症予防」の為に研究会は欠席ですが、上記の仕事の為だけに研究会に出向いてくれています。
研修の北口豊弓さんは専門教授者にはなっていませんので準幹部ですが、彼女がいないと支部の運営は成り立たないほど、研究会や花展・講習会の準備をお願いしております。
昨年までは青年部の会計として青年部での活動も協力してくれました。
準幹部、矢田豊淑先生は研究会の時の「優秀賞」「準優秀賞」の賞状のお名前を筆耕して頂いています。
監事の中山明豊先生と長尾聰雲先生は遠方にお住まいですが支部研究会・花展等には参加協力して頂いております。
監査時期は2月なので吹雪で車が立ち往生する事もありますが旭川支部まで監査をしに来てくれます。
参与の井上 豊則先生は前支部長として18年の長きに渡り支部を支えて頂きました。多くの会員と専門教授者を育てた功績は多大で、本部からは「名誉会員」として表彰を受けられました。
現在でも多くの会員を研究会に送りだしてくれています。
名誉幹部の山田豊宏先生・長内則子先生、稚内部会の阿部豊倞先生も多くの会員さんを育てています。また、研究会にも皆勤し勉強熱心な先生方です。
名誉幹部さん他2名は現在、体調が優れず研究会・支部活動休止中です。
準幹部の神山先生・別段先生・笠原先生・中山香明先生・北島先生・田代先生・齋藤陽子さん・高橋ゆりさん・坪坂さんには、支部研究会また花展等では大きな力として協力をして頂いています
会員の皆さんも大きな力で支部運営に協力してくれています!
活動のすべてを「会員目線で」「何のために行っているのか」を意識しながら行っている川村先生。
幹部、準幹部など関わる人すべてに感謝をしながら、「労力をかけてすることは無駄にしない」という姿勢が、若い会員の獲得にもつながっているのだと勉強させていただきました。
大変貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
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