全国支部紹介vol.3 小原流仙台支部
小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページにて毎月、全国支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流仙台支部です。九代支部長 倉田豊燿先生にお話を伺ってまいりました。
小原流仙台支部 支部長 倉田豊燿
1975年 小原流入門。
2007年より小原流研究院講師として活躍。全国各地での指導を行う。研究院講師の任期の最中に、小原流仙台支部支部長に任命されました。インタビューでは「最初は支部長が務まるか不安でしたが、支部役員の皆さまに支えられているお陰で、何とか務められています」とにこやかに語られていました。
仙台支部の歴史
明治時代末期、初代御家元 小原雲心先生の直門であられた 仙台出身の平一鶯先生の御指導により、仙台の地に小原流の種がまかれ、根付き、広がる魁(さきがけ)となりました。
大正末期から昭和初期にかけて、青葉会そして仙台国風会にと改称して、ここに仙台支部の礎が誕生いたしました。
二世光雲先生、三世豊雲先生ならびに歴代御家元の度々の御来仙を賜り今年で96年の時を重ねました。
その間9代の支部長の尽力をはじめ、名誉幹部、専門教授者、一般会員の皆様の尊い努力と温かいお気持ちに育まれて今に至っております。
自然災害やコロナ禍など厳しい試練が続きますが、会員の皆様と心をひとつにして、支部の歴史的伝統気風を守りながら、立ち上がり、新しい時代に向けて歩んで参ります。
震災(3.11)からもう11年。まだ11年
2011年3月の研究会を明日に控えた金曜日の午後2時46分、未曽有の大地震に見舞われました。
事務所と研究会場があるビル自体が完全閉鎖され、ライフラインが途絶える中、テレビ・ラジオから流される巨大津波や被害の大きさに不安ばかりの日々が続きました。
ようやくビル内に入れ、事務所の被害状況確認をし、復旧作業が出来た時には、一刻も早く研究会を再開したい気持ちと、いつ起こるかもしれない余震の恐怖との闘いの日々でした。
6月に講習会、7月から通常の研究会が再開し、家元が出張の合間にお見舞いに訪れて下さった時、会員におっしゃった「必ず復興します。希望を持ちましょう。小原流は家族です。」のお言葉は、今も私共の心に響いております。
仲間と再会し、お花をいけられることの楽しさを分かち合ったことを今でも忘れません。
仙台支部研究会での家元審査の様子です
2022年3月16日夜半の震災について
11年目の3.11を迎えて間もなく、3月16日夜半に震度6強の大きな地震が起こりました。
震災の時ほどではなかったものの、会員さんのご自宅の被害、そして支部事務所の花器置き場や書棚の散乱は大変なものでした。4月研究会の開催に向け、役員が片付けをしました。
仙台支部Instagramにその様子を掲載したところ、全国の皆さまから温かいメッセージをいただきました。心より感謝申し上げます。
今回の地震は11年前の余震とのこと、天災はいつ訪れるか分からず、日頃からの防災・減災への対策をより一層心掛けております。
いつまた地震が来るか分からない日々の中で、お花をいける余裕があるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私たちの生活には食事をすることと同様に、「花をいける」ということが根付いています。
そして花そのものからも、力をいただいています。教室や研究会には、仲間もいます。
大変な時だからこそ、花をいけることで、日常に戻るような気がしています。
小原流仙台支部のInstagramはこちら
コロナ禍での研究会運営について
一昨年からは、新型コロナウィルスの発生もございました。
仙台支部会員の皆様には、マスク・消毒・三密を避け会話を控えるなどのご協力を頂きながら、研究会を開催しております。
また支部スタッフの皆様には支部業務運営の為に、御家族の協力のもと お力添えを頂いております。
研究会は2020年8月にビルの都合で16階から地下へ会議室が移動になり、コロナ禍による机1台/1人を考えて、早い時間に始まり夜遅くに終了することになりました。
土曜・日曜 1日6回、月曜日は2回致しておりましたが、昨年11月より土曜・日曜日のみ、計12回で開催しております。
コロナ禍になりましてから、会員の皆様に出席時間の登録をお願いしました。また欠席の申し出をお願いし、お花屋さんとの杯数連絡を密にしております。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、公的会場が使用中止となり、お稽古もできない日々も続きました。
現在、ベテランの先生方・若い世代の方々も「健康のバロメーターになってる」「お花を通しての友達に会える」など、研究会での仲間を大切に思い参加して下さってます。
仙台支部会員は全員が家族で仲間です。研究会をお一人がお休みしても、どうされたかと心配しております。
震災、そしてコロナ禍と苦しい時を過ごしていても、私たち仙台支部はお花を楽しんでいます。
東北では冬が長く、雪深い日々が続きます。
しかし時が流れ春の頃になると、重い雪が溶けて、足元からは草が、木々からは新緑が芽吹いてきます。
押しつぶされても負けない、そんな「東北魂」が身に沁みついております。
これからもお花を通して、仲間とは長くおつきあいしていきたいと願っております。