全国支部紹介vol.15 小原流静岡支部

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小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流静岡支部です。十代支部長 山本 真澄先生にお話を伺いました。

小原流静岡支部 支部長 山本 真澄先生

1965年年4月、小原流に入門。
1992年に一級家元教授資格を取得。
2012年小原流静岡支部副支部長、2018年1月に同支部長に就任し、現在に至る。
1990年より前先生より静岡県立焼津中央高校での指導を担当。
2003年藤枝SBS学苑指導、2020年よりSBS学苑パルシェ校での指導を担当するなど、学校での指導を中心に活躍している。

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小原流静岡支部創立80周年記念花展での家元の作品
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小原流静岡支部創立85周年記念で制作した作品


小原流静岡支部のあゆみ


昭和9年に発足した小原流静岡国風会を礎として、小原流静岡支部が誕生いたしました。
昭和61年に静岡支部青年部も誕生、同年小原流静岡支部50周年記念花展が開催されました。工藤和彦先生がご指導でした。
昭和63年には小原夏樹先生ご指導のもと、造形講習会(野外展)が日本平で開催されました。 三年ほど前に行われたOhara花アソシエも日本平で作品制作をしましたが、その頃のことを思い出しました。
静岡県は全部で6つの支部あります。
平成4年に静岡6支部で青年部野外展を開催、工藤昌伸先生が講評をしてくださったのですが、雨あられでなかなか聞きづらかったのを覚えています。今では良い思い出です(笑)。
平成26年には工藤亜美先生のご指導で80周年記念花展を開催いたしました。宏貴家元にもご出品いただき、非常に盛り上がりました。徳川慶喜邸を会場にしたので和室空間や浮き殿を、工藤亜美先生、川上裕之先生、蛭田藤虹先生と装飾しました。入るだけでもステータスと言われているような会場で開催できたことで多くの方にご来場いただき、入場制限がかかるほどでした(笑)
令和元年10月に85周年特別記念講習会を岩田佳川先生のご指導で行いました。
85という文字を雑木で作ったのですが制作中に雑木が痩せてしまい、かたちが崩れて何度もやり直しました。制作期間は半年くらいだったと思います。
支部役職者全員で取り組んで何とか作り上げたのは苦労しただけに思い出となっています。
来年は90周年を迎えております。 目下準備中です。



2023年初等科申請件数80件が達成できた理由


県内の高校を指導していることが大きいです。
静岡支部会員が指導している学校では「総合学習」の時間に華道か茶道のどちらかが必修となっています。正課として取り入れられているので、1年の終わりに初等科申請をしています。許状申請料金は花材費を少し余分にいただいて積立てたものを充てているようです。そのため急な請求が起こらないようになっています。そちらの学校は生徒数が多いので、4名で指導に当たっています。最初にその高校を担当した先生から次の世代、次の世代とバトンを渡し続けていて、60年以上の指導実績となりました。
県内専門学校でも正課で取り入れられていて、そちらは学校の方針で資格取得が必須となっています。その専門学校から毎年20名くらい初等科申請が出ています。
私自身も先に指導していた先生から学校を引き継いで、現在50年近く学校での指導を行っています。私が担当している学校は男子生徒中心の進学校なので部活動の日数は減っておりますが、細々とではございますが、脈々と続いています。 メールマガジンでも生徒の作品を紹介させていただきました(笑)。
年齢や諸事情により学校を手放してしまった先生もいらっしゃるのですが、次の代、次の代と学校での指導者を繋げてきたことが今も生かされていると思います。
ま中学生、高校生の生徒がいると、本当に元気が出ます!専門教授者としても活動のハリが出てくるとも言えます。学校にはカナダ人の英語先生も参加してくださっているので、そうした出会いも面白いです。私は英語が全くしゃべれないのですが、身振り手振りで伝わる。英語が伝わらなくてもお花はできるのだと自信になりました(笑)。英文の教本もありがたく使用させていただいています。外国語大学に進学を目指している学生に通訳を手伝ってもらっているのですが、勉強になっています。
学生は巣立ってしまうのですが、ここで習っていた生徒が全国のどこかでまた小原流と繋がってくれればよいなと思っています。


充実した研究花材が静岡支部の魅力


支部研究会は一昨年より月1回の開催になりました。
静岡は花卉園芸が盛んな地域です。そのため研究会花材はバラエティーに富んだものとなっています。花菖蒲や燕子花、河骨、蓮と言った水ものの花材の農家が廃業してしまったのですが、二軒の花屋が管理してくださっていて現在も使用できます。毎年欠かさず研究会には出題しています。河骨が実際に生えている姿も勉強できるので、楽しいですよ。
バラやガーベラも農家がおりますし、唐ゴマも山に栽培している方がいます。去年は山梨支部の支部長が静岡まで採りにいらっしゃいました。浜松のアマリリスも手に入りやすいです。
このように研究花材にはあまり困ったことがないのがありがたいところです。
研究会の出題花材についてはブログで情報を共有しています。
私は非常にPCに疎いものですから、娘に更新をお願いしています(笑)



支部活動について


支部内に三地区設定しているので、みんなの花展については毎年、地区ごとに順番にやるようにしています。
今年も文化財のような場所で挿花することができました。建物自体が歴史的建造物なので良く言うと換気がいいのですが悪く言うと通気性が良すぎて、寒くてガラスのそばに入られませんでした(笑)。
文化センターと市役所と藤枝の駅で、当番制でお花もいけています。
幹部準幹部とは言わず、地区の先生にお願いしておりますので。
年に7~8回ほど、20年以上続いています。
最初の頃は面倒くさいなと思っていたのですが、今では楽しく、仲間同士のコミュニケーションになっています。
静岡支部の良いところは、全員が仲良いことです。派遣された講師の先生も驚くくらい。
名誉幹部をしている先生からは、まだ「ちゃん」付けで名前を呼ばれたりします。とにかく和気藹々。うるさいと驚かれてしまうほどです(笑)

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みんなの花展での作品

「私なんかでいいのかしら(笑)。」
そう仰りながらも急なインタビューに応じてくださった山本先生。とにかく支部のメンバーが仲良しで楽しいというコメントが非常に印象的でした。
山本先生、誠にありがとうございました!



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