この人に聞く!vol.18 小原流佐世保支部 藤瀨裕香先生

藤瀨 裕香先生

2020年副支部長に就任。

副支部長として日々アンテナを張り、役員や会員の皆様とコミュニケーションを取り、佐世保支部にはなくてはならない存在と支部長の長島支部長よりご紹介いただきました。
藤瀨先生の前向きで謙虚な人柄に迫ります。

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いけばなを始めたきっかけ

-藤瀨先生といけばなとの出会いについて教えてください!

学生時代からいけばなに興味があり、学校や地域のサークル活動の見学を何度かしていましたが、踏み出し切れないまま社会人になりました。そんな中、やはりいけばなのお稽古がしたいと思い母に相談したところ、お花屋さんでお稽古をしている場所があると教えてもらい、すぐに出向きました。流派にこだわりはなく、お嫁入り前にお花を習いたいという気持ちで見学させてもらった場所が小原流の教室でした。見学をしてその場で入会を決め、来週からお願いしますとお伝えしました。

-小原流のどんなところに惹かれて教室に通うことを決めましたか?。

いけばなに関しての知識が全くない状態で踏み込みましたが、菊2.3本と小菊でたてるかたちが出来上がり、少ない花材で立派ないけばなが成立することを目の当たりにして、その場で小原流に決めました。


支部とのかかわり

お稽古始めて数年の頃、当時師事していた先生から「あなたは準幹部になったから研究会のときはお願いね。」とサラッと言われました(笑) 研究会の時に役員の先生方のご活躍を目にしていましたし、尊敬していましたので、まさか自分がするとは思っていなかったので驚きました。いざ引き受けるとなると何をしたらいいのか...という気持ちもありました。

-その頃からずっと役員を続けてこられたのですか?

出産や夫の転勤で、お稽古も役員の仕事もお休みした時期がありました。
転勤先が(長崎県内の)離島で、中々お稽古の時間が取れませんでしたが、自分なりにお花をいける時間を作っていました。離島にはお花屋さんがなく、お稽古用の花材は手に入りませんでしたが、自然豊かな場所で散歩がてら見つけた自然の花材で、写景自然のお勉強をしていました。
佐世保支部に在籍したまま離島に転居したので、研究会開催日と船の都合が合えば、佐世保支部に戻り研究会に参加していました。
離島から戻ってきてからは、準幹部も再任いたしました。

副支部長という仕事

-副支部長になったきっかけはありますか?

前支部長先生交代の時期に役員も交代し、役割分担が変わる時にお話をいただきました。他にもたくさん立派な先生がいらっしゃいますので、最初はお断りも考えていました。そんな中、周りの先生方から「分からない事があれば教えたり、手助けしたりできるから」というお言葉をかけてもらい、かなり悩みましたがお引き受けしました。私が役を引き受ける時に考えるのは、できないことはお引き受けできませんが、"誰か"がしなくてはならない役割は、その"誰か"は自分でもいいと考えるようにしています。その"誰か"に自分がなったときは、引き受ける内容について勉強し、理解したうえで、好きになって楽しめるようにと考えています。現在は先生方のご協力をいただきながら、なんとか活動をしています。

-副支部長の仕事の中で工夫されていることはありますか

例えばですが、研究会や行事について主にハガキでお知らせしますが、通常と違う事や年配の方に直接伝わりづらいと感じたことはお電話させていただくことも、玄関先にお顔を見せがてら伺うこともあります。また、支部にお問い合わせがある際は、気軽にお話しできる環境作りを心がけています。
副支部長だから...と考えたりはしませんが、会員の皆様、役員の先生方の活動がスムーズに出来るように、目配り、気配り、心配りに気をつけて活動しています。
皆さんお花が好きという思いで活動されていると思いますので、いけばなが楽しい!という気持ちをお手伝いしていけたらと思っています。
そして、周りに立派な先生方がたくさんいらっしゃるので、出来ないときはすぐお尋ねして意見を伺い実践したり、自分なりに改善して活動しています。とにかく先生方を頼り、できないことは助けてもらっています。

自身の活動について

-今までどのようないけばなの活動をされてきましたか?

以前、長崎短期大学でいけばなを教える機会がありました。
当時は意気込んで指導という訳ではありませんでしたが、学生の皆さんがすごく熱心で、その姿から改めてお稽古の大切さやいけばなが自分に欠かせないものだと再認識する機会が多くありました。
長崎短期大学には留学生が多く、留学生の日本文化を吸収しようという気持ちが前に出ていて、日本人であるからには文化を大事にしたいなと感じていました。
また、離島で知り合った方から時々LINEなどを使用して「こんな感じでお花をいけたけど、どうしたらもっと良くなるか?」などご連絡いただくこともあります。
離島ではお花に興味がある方はいらっしゃいますが、習う機会がない方に、前からと横からと写真を送ってもらいアドバイスすることが時々あります。このように、小原流に関わりがなくてもお花好きの方を支えていけるような活動ができればと思います。

-現在はお稽古されていますか?

自宅でお稽古しています。昔からの知り合いの方など数名教えています。週に1回、月に4回位は時間を取るようにしています。生徒さんのお花には、たくさん手を加えるわけではなく、1箇所変更してアドバイスすることが多いです。毎回良い所も必ずお伝えしています。
あと、継続的なお稽古ではありませんが、職場で小さい子ども(小学生1~4年生)にお正月飾りを作る機会を年に1度設けています。
おやつで食べたプリンやゼリーのカップにオアシスを入れ、容器に色画用紙を巻き、紅白の紐を結び、オリジナルの器を作ります。花材は松と南天と菊、他には子どもたちが好んで使う洋花の小花を用意しています。予め小さく切り分けたものを花材ごとにトレーに乗せ「松は1本よ、南天は実と葉を使いましょう。お花は3つまでよ」などと決めています。子ども達からも保護者の方からも好評です。


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手作りのお正月飾り


今後の活動について

-今後の支部活動での思い、目標があればお聞かせください

しばらく前になりますが、先生からお稽古を付けていただくことが大切だと実感したことがありました。以前は先生からのご指導をただ楽しんでいましたが、それは貴重な事で、学べる機会は大切にしないといけないと思うと同時に、教わる事を少しずつでも他の方に伝えていけるようにと思うようになりました。
大きな目標はないですが、お花に関わる者として未熟で経験も少ないですが、これからたくさん学んでいこうという気持ちです。お花が楽しいということを一番大切にしながら自分のペースで伝えていけたらいいなと思います。

藤瀨先生自宅稽古写真.jpg自宅教室の様子