全国支部紹介vol.19 小原流富山支部
小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流富山支部です。五代目支部長 山村和子先生にお話を伺いました。
小原流富山支部 支部長
山村 和子先生
学生時代小原流の花を見たことをきっかけに入門。
1969年に准教授を取得。
1987年に一級家元教授を取得。
2014年から富山支部支部長を務める。
富山県華道連合会の活動を支部でまとめ、年間5回以上の花展を行っている。

富山支部の歴史
昭和34年に「富山華道連合会」が作られたことが支部設立の礎となりました。
設立以前、富山で専門教授者活動をしていた先生方は金沢支部に所属していましたが、「富山華道連合会」の活動や小原流の花展を通じて富山の地に小原流会員が増えたことで支部として独立しました。
支部創立は昭和40年。支部発会式を明治生命ホールにて開催し、工藤和彦先生をお招きしました。
昭和45年には支部創立5周年式典を富山電気ビルホールで開催しました。
その頃私は小原流を習い初めたばかりでしたが、創立5周年に立ち合いました。支部が創立した頃は組織としてまだ大きくなかったので、私やお時間のある支部会員の皆さまにも手伝いに参加できないかと声がかり、式典で使用する花材の枝の整理や掃除をしたことを覚えています。
「富山華道連合会」とのつながり
富山支部発足の契機となった「富山華道連合会」は県内唯一の華道連合団体で、現在も13流派18支部により運営されています。富山県でいけばなが必要なイベントが開催される際には「富山華道連合会」に連絡が入り、所属している流派や支部に声がかかります。挿花の機会をいただけた際には、支部として依頼をお受けしています。
華道連合の行事に参加するためには華道連合会に入会する必要があります。
富山支部では支部役職者だけではなく、三級家元教授になると、親先生の推薦により入会することができます。
入会したばかりの方は作品発表の機会として喜んで参加してくださります。
今年は「富山華道連盟会」によるイベントが5回開催されます。
9月10月11月と続けて花展が開催される予定ですので、ぜひ足をお運びください。
開催情報
【富山県民芸術文化祭2023】
<開催日時>令和5年9月16、17、18日
<開催場所>新川文化ホール
【富山県華道展】
<開催日時>令和5年10月6、7日(前期)8、9日(後期)※小原流はどちらにも出瓶予定
<開催場所>大和富山店
【秋を彩るいけばな展】
<開催日時>令和5年11月25、26日
<開催場所>新川文化ホール
大成功だった2023年みんなの花展について
華道連合会のイベントとは別に、みんなの花展も開催しています。
今年5月のみんなの花展は、国登録有形文化財である「豪農の館 内山邸」で開催いたしました。富山県の職員から使用のお誘いをいただいたことがきっかけです。
会場が趣のある建物だったことと、コロナ禍でみんな我慢していたためか出瓶者が80名も集まり、皆さん楽しんで参加してくださりました。来場者が想定以上に集まって、駐車場にも入れなくて整理しなければならなくなったほどです(笑)。
過去記事のご紹介!
いけこみの工夫について
挿花活動が数多くあるので、無理なく続けていけるように工夫をしています。
例えば内山邸での枇杷と胡蝶蘭の大作は、荷物の運搬から留めまで男手は使っておりません!慣れるまでは釘を打って留めていたのですが、使用せずに留めることができるようになりました。
作品については器から表現、花材まで参加する方にお任せしています。花器をお持ちでない方には持っている先生がお貸出ししています。私を含め、出品に慣れている先生は花器用の倉庫があります。
花材は花屋さんで選ぶこともありますが、枝ものなどは庭から取ってくることも多いです。こんなに切っていたら無くなってしまうと話していますが、毎年育ってくれています(笑)
花器や庭を眺めながら生徒と作品についてコミュニケーションをとるのも楽しいひと時です。
いけばな花材を守るプロジェクト
「秋の燕子花」への挑戦について
富山支部ではいけばな花材を守るプロジェクトの対象花材に触れる機会が少なく、河骨や睡蓮などは10年くらいいけていません。中には様式集成に載っている「幻の花」という認識の方もいます!
そのため支部宛にいただいた「秋の燕子花のご案内」を機会に、専門教授者勉強会で取り入れることにしました。
専門教授者の皆さんは勉強熱心な方が多く、難易度が高い花材であっても皆さん学ぶことに前向きです。
また東京の家元教場に通う方や、若い人からも勉強してみたいという声を頂戴しているので、今後も対象花材は取り入れていきたいです。
会員への本部情報の発信について
支部定例研究会の時には、本部からのご案内を必ず伝えるようにしています。
ただ最近はQRコードを使ったご案内が増えてきましたので、私もなかなか難しくなってきました(笑)。
そのため「操作が難しい人は、支部に声をかけてください」とアナウンスしています。例えば、メールマガジン登録方法を勧めるときには、協力してくれる研究院の先生方や若い会員に登録してもらう機会を作っています。
⽇本×バチカン市国国交樹立80周年記念イベントDVD「結ぶ」の販売のご案内ついても、欲しい方の手に届くように支部役員でチラシを作成して配りました。販売実績が全国支部で一番だったと聞いて驚いています。
とにかく小原流の情報を求めている人に届くように周知すること、分からないことは恥ずかしいと思わず、若い人や弟子に聞いて解決するようにしています。
全国的にみて花展が多く忙しい中、支部会員の皆様が楽しく活動できるように花材などを工夫している様子を感じられました。先生、お話の機会を作っていただき誠にありがとうございました!
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