全国支部紹介vol.21 小原流佐世保支部

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小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流佐世保支部です。十二代支部長 長島豊虹先生にお話を伺いました。


小原流佐世保支部
支部長 長島豊虹先生

香港旅行ツアーで佐世保支部五代目支部長荻野豊和先生と出会ったことがきっかけで小原流を始める。

1988 年荻野先生に師事し小原流入門

2007 年一級家元教授取得

2020 年佐世保支部 支部長就任

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佐世保支部の歴史

佐世保支部は昭和 11 年に 2 世光雲家元を迎えて開催した盛花講習会をきっかけに支部を創立しました。初代支部長は三谷光渕先生が就任し、翌年の昭和 12 年には3世豊雲家元を迎えて講習会や花展を開催して、年ごとに発展を重ねてきました。
二代目支部長和田光薫先生、三代目支部長森田光朝先生、四代目支部長山崎豊勝先生がそれぞれ多くの花展を開き、流勢を伸ばしていきました。
五代目支部長は私の恩師である荻野豊和先生です。旅行先で荻野先生と出会ったことが、私が小原流をはじめ、十二代目の支部長になるきっかけでした。


支部長就任と支部存続

-2020 年に支部長を引き継いだと伺いました。コロナ前と現在と支部運営に変化はありましたか。

2020 年、私が支部長になって 3 ヶ月後に新型コロナウイルスが世界中で大流行しました。今後の支部運営についてどのようにするか悩みましたが、研究会をとめてはいけないという思いで今までと同じように継続しました。役員の先生方の協力もあり、変わらず続けることができ、支えていただいた先生方にとても感謝しています。

研究会運営の目標

-現在佐世保支部では研究会の目標人数を設けていると耳にしました。また、参加人数をキープする秘訣はあるのでしょうか?

はい、コロナ禍以前の人数を維持していきたいという目標をもって活動しております。
参加の秘訣か分かりませんが、研究会ではご指導の先生に簡単な寸評を毎回お願いしています。短くでもいいのでどこをどうすれば良くなるか一言コメントいただくのを、コロナになる前も後も変わらず続けています。研究会には若い方も多く参加していて、もっと上手になりたい方は指導者からの一言コメントが励みになるのかもしれません。
また、佐世保支部では学生の方は一般会員よりお手頃に研究会に参加できる方法をとっています。小原流学校連盟登録校の中に、授業の一環として小原流のお花をいける機会を取り入れている学校があります。今年の学生いけばな競技会にも 40 名程参加し、初等科の資格が取れる高校二年生、本科の資格が取れる高校三年生は研究会にもいらっしゃいます。高校を卒業してからも、市内にいる学生さんはお花を続けていらっしゃいます。

-研究会の点数が振るわず、心が折れて参加されなくなった方はいらっしゃらないですか?

いないと思います。点数は関係ないです。
もちろん、良い点数を取れば嬉しいと思いますが、点数だけではないと思います。
私はそこまでの過程が重要で、研究会では各会員の方が平常心でいけられるかどうかが大事だと考えています。その為、佐世保支部では堅い雰囲気にならないよう、いけこみ中クラシックの音楽をかけております。


専門教授者輩出をするために

私が支部長に就任した時、佐世保支部で一番人数が多い級は一級家元教授で、初等科や本科の人数はあまり多くなかったです。一級家元教授の先生の中にはご高齢の方もいらっしゃいます。変わらず元気で研究会に参加していただきたいですが、将来のことを考えた時、現状のままだと佐世保支部は廃れていくことが目に見えていました。
支部を存続する為には 1 人でも多くの方が専門教授者となり、その方々から初等科・本科の申請をすることが一番の近道だと考えています。若い層を取り入れて、支部を支える力を増やすために、なるべく多くの方に専門教授者として教えてくださいと声かけをしています。

-佐世保支部には准教授、四級家元教授、三級家元教授から専門教授者になっている方がいらっしゃいますね。その方にはどのようにお声がけしていますか?

年に一度、専門教授者の先生方が集まる機会があるので、その際に先程のお話をしております。それ以外で特別何か言うことはありませんが、積極的に専門教授者活動をされる方が多いです。それがなぜかは分からないのですが、私が支部長になってから教える意欲を持つ方が増えている気がします。

-専門教授者を多く輩出する秘訣、是非教えていただきたいです。

なんでしょう・・・私があれしなさい、これしなさいとあまり言わないからですかね。
うちの支部は堅苦しくなく、研究会に何名出してくださいなどの制限もないので、自由さがそうさせているのかもしれません。

役員の成り手について

‐佐世保支部では役員の先生はどのように決めているのですか?

例えば準幹部の場合ですと、役員の先生からのご紹介の他に、「加勢していただけませんか?」と私が声をかける場合もあります。この方だと思った方には積極的に声をかけるようにしていて、現在副支部長の藤瀨先生も幹部になりたての頃に「副支部長を引き受けてくれないか?」と声をかけました。藤瀨先生を抜擢した理由は、役員の若返りを図りたかったからです。会員さんの中で優秀な人材や、支部に協力していただける方はこれからも準幹部や幹部に採用していきたいと思っています。

-どんな時にこの人だ!と思われるのですか?

研究会の様子をみて決めます。この人だったらどうかなあって。
将来に向けて幹部を育てることも私たちの仕事ですので、会員の方々が今の自分たちの立場に座ってくれたら私たちはいつでも退けます。私たちの任務は次の担い手を育てることだと考えています。その為、会議では皆さんが積極的に発言できる場を大切にしています。また、負荷がかかり過ぎないように1時間程で終わるよう心がけています。



佐世保支部人物写真.jpg佐世保支部の役員みんなで


今後の予定

-今後予定している支部の活動はありますか?

3 年後、佐世保支部は創立 90 周年を迎えます。
先日幹部会で、どのような方向で立ち上げていくか話し合いました。支部にはそれほど余裕がないので、毎年行なっているみんなの花展の頭に「創立 90 周年」と入れて開催したいと考えております。例年のみんなの花展は 2 日間の開催ですが、90 周年では3日間の予定で考えています。90 周年を迎えるとき会員の皆様が、佐世保支部で 90 周年を迎えられて良かったと感じられる花展にしたいと思っております。皆さんがワクワクドキドキできるような要素を入れていきたいです。

これからのいけばなのかかわり方について

-これからのいけばなとの向き合い方についてどのように考えていますか。

時代の変化に伴い花材が変わり、花材以外にも世の中の色々なものが変わってきているので、私たちもそれに対応しながらいけばなと向き合っていかなければと思います。
これからも小原流佐世保支部を多くの方に知っていただくことが、私たちの役目の一つと思い活動していきます。小原流のお花は、時代と共に変化してきましたが、花展にいらっしゃる方々に「品格のある花ですね」と言っていただくことが多いです。
みんなの花展では学生のコーナーもありますし、初等科や本科のコーナーもあります。小原流のほとんどの花型をいけてもらっているので、今度はどういう見せ方をしたらいいかなと考えながら計画をしています。

支部長として大事にしていること

佐世保支部内で誰がえらい、とかそういう雰囲気は全くないと思います。会員の皆様には「私についておいで、みんな行くよ!」という感じで活動しております。例えば、みんなの花展の際も「来年もこの場所で同じメンバーでいけていきましょう、皆さん楽しみにしていてください!」とお話をいたします。私自身、過去は振り返らずに、先しか見ない性格なんです。引き続き若い方を増やして、活気ある佐世保支部を作っていきたいと思います。
そして、支部長になってみて見えなかった景色が見えてくることが多くあります。立場上、全体を見なければならないですが、役員の先生、専門教授者の先生など多くの会員の皆様に支えられて佐世保支部は成り立っています。
皆様がいらっしゃるから佐世保支部は運営できている、その方がいらっしゃらないと私は一人ではなにもできない、皆さんの支えがあって頑張ってこれています。
あとは家族の協力もあるので外に出ていくことができたなと、関わる全員に感謝しています。

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花展写真佐世保支部③.jpg花展写真佐世保支部②.jpg

花の輪人の輪みんなの花展にて