全国支部紹介vol.28 小原流横須賀支部
小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。皆さんが在籍している支部がそうであるように、それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、現在の取り組みなどがございます。本ページでは、毎月、全国の支部を1支部ずつご紹介いたします!今回ご紹介するのは小原流横須賀支部です。7代支部長小林恵苑先生と8代支部長谷口珠翠先生にお話を伺いました。
小原流横須賀支部
支部長 谷口珠翠先生
2014年5月 一級家元教授取得
2024年1月 横須賀支部8代支部長就任
幹部、副支部長として10年間活動され
今年支部長に就任されました。

小原流横須賀支部
7代支部長小林恵苑先生
2010年5月 一級家元教授取得
2020年1月 支部長就任
横須賀支部の7代支部長として
6年間活躍されました。
写真はお母さまと。
左が小林先生。

谷口先生は横須賀支部8代支部長となられます。
谷口先生と小林先生の両名に、支部への思いや支部の取り組みについてお聞きしました。
横須賀支部の特徴
みんなが言いたいことを言える支部ですね。アットホームでお互いに性格も分かっていますので、意見の食い違いがあっても、すぐにその場で解決します。
今は仕事をされている方も多いので、幹部のグループLINEで情報を共有しています。
小林先生から谷口先生へのバトンタッチ
・小林先生が谷口先生を支部長に指名された決め手を教えてください。
谷口先生には副支部長を長くやっていただきました。この方なら安心して支部を任せられると思ったんです。今支部は高齢化してきておりますので、若い方が入ってくださるような支部にしていただければと。期待しております。
新支部長谷口先生の思い
今本部が色々変わっていく中で、支部も同じことをやっているだけではなく、やれることがあれば、色々挑戦していきたいと思っています。
研究会は、来てくださる会員の方に「楽しかった、来てよかった。」と思ってもらえるものでなければいけません。研究会の1週間前に勉強会をして、研究会が有意義なものになるように幹部で考えていますが、それとは別に、9月から新しい研究会になるように新しい試みを考えているところです。
今支部に在籍しているメンバーは、本当にお花が好きな方ばかりです。お金のことも含めて、一生花を続けていたいなと思えるような支部にしたい。支部長になった以上は、そう思える支部になるように頑張りたいと思っています。
勉強会
第1土曜日に講師をお招きして、幹部で勉強会をしています。お弟子さんがいるいない関わらず、今だと14人ぐらいですが、その先生たちを呼んで、研究会の花材をいけ、次の週の研究会でいけています。
そこで、研究会のお花の分量や色合い、本数3本じゃなくて2本の方がいいんじゃないかとか、色々なこと含めて課題の最終決定をするっていう形になってます。
講師の先生は東京支部の先生が多いのですが、毎月違う先生をお呼びしてます。
研究会
・研究会で悩まれていることはありますか?
みんなの花展の月以外は、毎月研究会をしています。出席される方は40~45人くらいです。
今花材の値段も高くなっていますし、花材のレパートリーが少なくなっているのに悩んでいます。
人数が少ないせいではあるのですが、お花屋さんから「同一花材にしてください。」といわれてしまい、課題を級によってバラエティをつけられないのが残念です。
花の縛りがどうしても多くなってしまうので、小原流ならではの様式は難しですね。蓮などの水ものもなかなか手に入りません。
・先程のお話にあった、研究会でこれから始めようとしていることを教えてください。
普通の研究会では点数が付きますが、9月から、点数を付けずに勉強してもらうことを第一の目的とする研究会をやってみようと思っています。
例えば『一級の先生のところは、当日課題発表で秋の多種挿しをやります。』というようにね。事前勉強はしなくても、その場で勉強していただくっていうことが本来の意味であって、点数は付けません。
横須賀支部は、支部付けの方が結構いらっしゃいます。研究会でぶっつけ本番でいけられる方も多いのですが、様式なんかですと、やっぱり 1人で勉強するのはなかなか難しい。昔はやってたけど、毎年やらなきゃいけない課題もたくさんある中で、『それがちゃんと正しく出来ているか確認したい。』という思いがあります。
花材によっては年に1回しか出来ないこともあります。今年は点数を付けないで先生に1から教えていただき、社中がある方もない方もそこでしっかり先生から学ぶ。という研究会を2回ぐらいやれば、3回目ぐらいにお点を付ける時には、皆さん自信を持っていけられるのではないでしょうか。
これは、小さい支部だからこそ出来ることかもしれません。『点数をつけない研究会』を導入し、うまく軌道にのせていきたいと考えています。
みんなの花展
・花席をくじ引きで決められるとお聞きしました。支部長先生もくじ引きなのでしょうか。
全員でくじ引きですよ。支部長でも一番すみっこになることもありますし、一級の先生と初級の方が隣りだったりします。
レイアウトはこちらの方で大体決めて、あとはくじ引きで決めていきます。昔は盛花と瓶花と分けたり色々してたんですが、今は全員一緒にくじを引きますので、盛花、瓶花、間に造形が入ることもあります。
他の支部では花展の場所を決めるのが大変というお話も聞きますが、うちは駅前のセントラルホテルでいつも開催させていただけますので恵まれていると思います。
ホテルは綺麗で見栄えもしますし、セッティングはこんな感じでとお願いするとホテルの方が全てやってくださいます。有難いですね。
齋藤 弘純 先生について
・横須賀支部の齋藤 弘純先生は、家元のバチカンでのイベントにも同行されたのですよね。
彼は私と同じ社中なので、習い始めて中学1年生から知っています。お花が大好きな子で、入ってすぐにお花の腕はめきめきと上達しましたね。高校生になって衣装に興味を持っていましたが、お花には毎週通ってきていました。
今は衣装デザイナーとして本当に立派になられて。
パラリンピックの開会式と閉会式の衣装を担当されてからは、世界中を飛び回っていてとても忙しそうですが、この間のみんなの花展に作品を出瓶して欲しいと言うと造形を出してくれたりして、今もとても協力してくれています。東京のお教室には現在も通われているようですよ。
齋藤 ヒロスミ(さいとう ひろすみ)さん:幼少期から培った小原流いけばなの感性を生かし、独学で衣装製作を開始。浜崎あゆみ、氷川きよし、渡辺直美、蜷川実花監督作品、日本を代表するテーマパークなどの衣装デザイン、さらには東京2020パラリンピック競技大会閉会式の衣装統括を担当するなど、幅広く活動。『情熱大陸(毎日放送)』出演など多くのメディアからも注目されている。