全国支部紹介 vol.1 小原流東京支部
小原流は全国に144、そして国外には89の支部があります。
皆さんが在籍している支部がそうであるように、
それぞれの支部に設立のあゆみや特徴、
現在の取り組みなどがございます。
本ページにて毎月、全国支部を1支部ずつご紹介いたします!
最初にご紹介するのは、小原流にとっての支部組織の発祥である、小原流東京支部です。
九代支部長 堀江美瑛先生にお話を伺ってまいりました。
小原流東京支部 支部長 堀江美瑛
1962年3月 小原流入門。
いけばなで培った感性を生かし、フードコーディネーターとして活躍。
その傍らで小原流専門教授者としても活動を開始し、現在に至る。
2010年 小原流東京支部九代支部長に就任。
現在は支部長に加え、小原流理事、小原流関東信越地区委員、小原流東京都支部連合会会長を兼任している。
東京支部について
東京支部は2022年で100周年を迎えます。 三世家元、四世家元が副家元時代の一時期、東京支部長をされていた歴史があります。
東京支部の特徴といえば、まずは組織が大きいこと。 全国支部の中でも最大の会員数を誇りますので、常に賑やかで、支部行事も豊富です。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で一昨年、昨年は行われませんでしたが、それまでは毎年支部花展を開催しておりました。
ほぼ毎月開催している研究会も日数が多く、色々な方のいけた作品を見ることができます。 年1~2回ほど御家元をご審査にお招きしております。コロナ以前は寸評を賜ることもあり、感激される会員も多く見られました。
専門教授者のための勉強会なども定期的に開催しておりますので、勉強熱心になる会員も多いです。研究院役職者を数多く輩出しているのも、それが理由ではないでしょうか。
また、東京支部の中で世田谷、東、西、南、北、多摩、神奈川、埼玉、千葉と9つの地区に分かれて、専門教授者を中心に「みんなの花展」などの活動をしています。2022年より八丈支所を入れて10地区となりました。
伝統文化子供教室は、港区他8ヶ所で開催しています。
このように組織が大きい分、花に触れる機会が多いので、いけばなが会員の皆さまの生活に溶け込んでいるのではないかと思っています。
コロナ禍での研究会運営について
全国どの支部の皆さんも同様だと思うのですが、新型コロナウィルスの影響で、一昨年、昨年は様々な混乱がありました。
中でも一番頭を悩ませたのは、研究会です。
これまでの東京支部の研究会は、事前予約不要、希望時間帯の登録はしますが、都合次第でどの時間でもご参加いただける、自由なものでした。
出欠席の事前予約は取らないので、会員数に合わせて花屋さんに花を発注していました。
会員の皆さんにはとても通いやすい仕組みだったと思うのですが、各回の研究会出席人数は常に予想不可能で、花材のロスにも繋がっていました。
「コロナ禍では、これまで通りの研究会の運営は難しい」
役員全体で話し合いを続け、ネット予約システムの導入に踏み切りました。
それにより開催時間ごとに人数制限を設けることが可能となり、ソーシャルディスタンスの確保や、花材のロスも最低限に留めることができています。
高齢者も多く、ネット予約はうまくいかないのではないかと不安だったのですが、現在では7割以上の方がネットでの予約をしてくださっています。
ネット予約ができないという方も一定数いますが、FAXで予約できるようにしたり、研究会に参加いただいた際に次月の予約を取るなどの工夫をしています。
それでも予約をせずにご来場される方もいらっしゃいますが、その場合は空きのある時間帯にご案内させていただいております。このようなご時世ですので、皆さんご理解くださいます。
こうしたことが上手くいっているのは何より、会員さんのフォローをしている幹部・準幹部の皆さんのお陰です。感謝が尽きません。
最近の嬉しいニュース
そんなコロナ禍でも、嬉しいニュースもあります。
男性の会員が30名ほど増えたということです。年齢層は10代から60代の方まで、さまざまです。
研究会の本科~准教授参加者に増えているので、この2年の間に入門されたことは確かです。要因としては、コロナ禍で「お家時間を大切に過ごす」という方が増えているのではないかと考えています。
現在会員を含め、新しい会員へのアプローチをどうしていくか、具体的な施策はまだ考えてはいませんが、前向きに取り組んでいきたいと思っています。
また、1973年に発行された東京支部会報誌「コスモス」は毎月発行を重ね、本年1月で500号を迎えました。
研究会の翌月花材の発表、進級発表の他、行事の案内報告が中心ですが、会員の皆さまとともに歩んできた歴史であり、とても大切なものです。
コロナ禍で研究会中止の手紙と共に、「コスモス」を発送した時、
「唯一、つながりを感じた便りでした」という会員さんからの声が届き、感激いたしました。
100周年に向けて
現在は東京支部100周年記念行事の開催に向けて、4つの柱で準備をすすめています。
①東京支部全会員による記念モニュメント
1月の研究会からパーツの作成をはじめていて、
4月上旬から小原流会館ロビーに展示します。
②100周年記念特別講習会
お家元による舞台いけばなパフォーマンスで100年の歴史を寿ぎます。
2022年4月23日(土)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催予定です。
また講習会は配信も予定しています。詳細は決まり次第、東京支部HPなどでお知らせする予定です。
③記念花展
2022年10月13日(木)~18日(火)に新宿高島屋11階催事場での花展を開催いたします。
④100周年記念新年祝賀会
こちらは2023年1月5日(木)に、ホテルオークラにて開催いたします。
すべての行事が滞りなく開催できることを祈って、今日も準備に邁進しております。
記念モニュメントのパーツです。一体どんな作品が、、、?
出張挿花
表参道駅
表参道駅へのいけこみは1992年7月から始まりました。
支部役員、会員有志によって3日間ごとにいけ続けられ、既に25年、3,000作以上を展示しております。
慌ただしく人々が行き交う都会の駅で少しでも季節を感じてもらえたらと続けてきました。
いけこみ中に「通勤途中にいつも見ています」「お花があって、癒されます」「これは何の花ですか」などと声をかけられることもあり、撮りためた写真を支部に送ってきてくださった方もいらっしゃいました。
現在はコロナ禍のため、支部役員で日持ちのする素材なども交えて、季節行事に合わせ長期間での展示を続けています。
早く従来の3日間展示に戻れることを願っています。
セルリアンタワー東急ホテル
東京支部90周年の祝賀会や新年会の会場として使用したのがご縁で、2018年3月から、セルリアンタワー東急ホテル35階にある「エグゼクティブフロア」のラウンジに、レリーフの展示と挿花の依頼をいただいております。 ラウンジのレリーフ作品は岩田佳川先生の作品からはじまり、2020年は工藤亜美先生の作品に変更となりました。 岩田佳川先生の作品は、現在もエレベーターホールに展示されています。
新型コロナウィルスの感染拡大が留まらない中で開催された2月の研究会の際にお邪魔して、インタビューをさせていただきました。
研究会の開催にあたっては細心の注意を払うということで、張り詰めた空気が漂っているのかと想像しておりましたが、
堀江先生並びに副支部長先生方は、終始にこやかな笑みを絶やすことなくご対応くださりました。
「支部運営で一番大切なことは?」とお伺いしたところ、研究会の開催と、何よりも「笑顔」とのお答えが。
堀江先生、東京支部の皆さま、お時間くださりまして誠にありがとうございました!
小原流東京支部
2022年に創立100周年を迎える小原流東京支部は、小原流で初めての支部組織です。
最盛期は研究会の参加者が1万人を超えており、支部独自の会員データベースを構築しました。
青山・小原流会館1階に支部事務所があり、営業日は毎週火曜日と金曜日の10:00~17:00です。
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